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2020年6月10日

【衆院予算委】枝野幸男代表に続き、川内博史、大串博志、辻元清美各議員が質問

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 衆院予算委員会で9日、令和2年(2020年)度第2次補正予算の基本的質疑が行われ、立憲民主党から枝野幸男代表に続き、川内博史、大串博志、辻元清美各議員が質問に立ちました。

 川内議員は、(1)持続化給付金の事務のあり方(2)GoToキャンペーンの予算のあり方――について総理らの見解をただしました。

 持続化給付金の事務のあり方について、給付申請から通常2週間程度かかる審査が、5月1日の受付開始から約40日経っても届かない人が多くいることを問題視。国と委託先との契約が適切であったのかただしました。

持続化給付金事業の全体像 (川内議員).jpg

 一般社団法人サービスデザイン推進協議会が今回の事務委託を受け、そこから株式会社電通に再委託、さらに電通から複数社に外注するという構図について、川内議員は通常公共工事などは利益が出る元請けになりたがるが、「元請にはなりたくないんですと一生懸命名前を隠そうとする。これは普通はあり得ないことではないか」と指摘。丸投げに近い実態と給付が遅い状況について川内議員は「資金繰りに困っていらっしゃる事業者の皆さんの気持ちを想像すると胸が締めつけられる」と訴えました。

 GoToキャンペーンの予算のあり方については、コロナ感染症による影響を受けた観光業に対して「直接的に旅館、ホテルを支援すべきである」として、キャンペーン予算の1兆6000億円は、「今すぐ観光持続化給付金という枠組みをつくり、観光に携わる事業者の皆さんに給付をすべき」だと訴えました。安倍総理は、「事業者の皆さんが最も待ち望んでおられるのがやはり事業の本格的な再開なんだろう、こう思う」「取り戻していく上においては大胆な消費喚起策が必要」と答弁。川内議員は「今何をすべきかということの判断を見誤らないようにぜひともしていただきたい」と述べ質問を終えました。

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 大串議員は、(1)10兆円の予備費と財政民主主義(2)持続化給付金の事務問題(3)GoToキャンペーンの事務経費3000億円――について質問しました。

 10兆円の予備費について大串議員は、「何と10兆円。聞いて腰を抜かしました」「内閣の自由な判断で、国会に事前に相談もせずに、自由に使えるお金が10兆円。毎年の予算での予備費が5000億円であることを考えると、20年分の予備費を今回1回の補正予算で積んでいる」として、なぜ5兆、8兆ではなく10兆なのかを立たしました。

 安倍総理は「今まさに百年に一度と言われる大変な危機の中にあるわけでございます」「今後の長期戦を見据えて、状況の変化に応じて臨機応変に、かつ、時期を逸することなく対応していかなければならない」「さまざまな事態が起こったとしても、しっかりと国民の健康、命、そして生活、雇用を守り抜いていくことができるような、そういう対応をしているところ」と答弁。改めて大串議員が根拠をたずねても、「いまご説明をさせていただいたわけでございますが、これはまさに百年に一度の大変な災害の中にある、国難の中にある」と答弁し具体的な説明はありませんでした。

 これを受け大串議員は、「安倍総理は、国会を閉じて、もうこれ以上国会を開きたくないから、10兆円のお金さえ持っていれば、国会を開かないで自分たちの好きなようにいろいろな施策を打てるから、もう国会の場でこれ以上追及されるのは嫌だということで、国会を開かないために10兆円もの予備費を積んだのではないか」と指摘しました。

 持続化給付金の事務の問題については、受託者のサービスデザイン推進協議会の入札時の提案書が提出されましたが、審査や給付通知の体制、給付金振り込みまでの流れ、事業実施計画までもがすべて黒塗りになっていることから、「何も世の中に説明しない体制で、本当に国民の皆さんの理解を得られると思うか」と見解を問いました。梶山経産大臣は、「それぞれの企業秘密もあるということで、その企業に確認をしながら、今、その提案書というものを出させていただいております」「まずは、いま給付を急いでいくことということだと思っておりますし、そのための努力をいましているところ」だと答弁。「努力をしているかどうかわからない、こんな真っ黒だったら。しかも、経産大臣もどういう体制で事が動いているかすら知らない。確認のしようすらない」と大串議員は指摘しました。

GoToキャンペーン事業.jpg

 GoToキャンペーンの3000億円の事務経費については、執行の際に予算委員会を開き事前に確認できるよう求めました。

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 辻元議員は、(1)国会の会期延長(2)専門家会議の議事録作成(3)黒川元検事長の問題(4)カジノ――について安倍総理らの見解をただしました。

 国会の会期延長について、「私は国会を延長した方がいいと思いますけれども、総理、そう思いませんか」「来週閉めずにしっかりと議論していこうじゃないか。ちょっとぐらい言っていただいていいでしょう。いかがですか」「続化給付金の中抜き問題、それから、黒川問題もまだくすぶっています。さらに、河井夫妻の選挙違反の捜査も進んでいます。こういうことがあるから、国会を開いていていろいろ質問されたり言われたら嫌やな、そういうことも総理はあるんじゃないですか。だから、心の中では早く閉じたいなと思っているんですか。いかがですか」と繰り返し総理に答弁を求めました。

 安倍総理は、「この会期の中でまず全力を挙げてこの補正予算を成立をさせたい」「会期をどうするかということについては、これは国会がお決めになること」「想像をたくましくしておられるんだろう、こう思いますが、そもそも憲法によって、われわれ国会から求められれば、総理大臣として、あるいはそれぞれが国務大臣として出席をして説明責任を果たしていくということは当然のこと、当然の義務」と述べ、前向きな答弁はありませんでした。

 辻元議員は、憲法53条に「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とあることから、開会要求があれば臨時会を開くことを約束するよう求めました。

 安倍総理は、「仮定の質問についてはお答えをすることは差し控えさせていただきたい」と述べ明言を避けました。これを受け辻元議員は「仮定の話を申し上げているわけではない」「要請があれば憲法に従って臨時会を開きますねと問うているだけ」「総理は憲法憲法といつも言っているじゃないですか。だから聞いている」「(自民党では、)20日以内に開かなければならないという草案もおつくりになっていますので、しっかりと要求があったら開いていただかないと困る」と指摘し再度答弁を求めました。

 安倍総理は、「憲法にのっとって対応していくということは当然」「仮定の話と言ったのは、まさに4分の1があればというのは、それは仮定の話なんだろう」と歯切れの悪い答弁を行いました。

 安倍政権は2017年、加計学園問題をめぐり憲法53条に基づき野党側が求めた臨時国会の召集に対し、応じなかった経緯があります。

 専門家会議の議事録については、菅義偉官房長官が東日本大震災の後、自身のブログで「東日本大震災に対応するために立ち上げた多くの会議で議事録がつくられていないというずさんな実態が次々と明らかになりました、歴史的な危機に対処していることへの民主党の意識の低さ、国家運営への責任感のなさが如実にあらわれています」「公文書の作成は、政党の主義主張とは全く関係ない、国家運営の基本」と書いていることから、議事概要ではなく議事録の作成を求めました。

 菅官房長官は「私の発言と専門家会議の現在の議事録を比較するということは、まったく違う」「(専門家会議は)政策の決定又は了解を行わない会議などに該当して、ガイドラインに沿って適切に記録を作成している」と答弁。安倍総理に対して、総理の政治決断で議事録を作成するよう求めました。安倍総理も菅官房長官と同様の答弁にとどまりました。

 重ねて辻元議員は菅官房長官のブログにある「議事録作成という基本的な義務も果たさず、誤った政治主導を振りかざし、政権を担う資格がないのは明らかです。議事録作成という基本的な義務も果たさず、政権を担う資格がないのは明らかです」を引用し迫りましたが、菅官房長官の答弁は変わりませんでした。

 黒川元検事長の問題ついても、安倍総理、森法務大臣は従来の答弁を繰り返すにとどまりました。辻元議員は、「(桜を見る会のときも、前夜祭について)政治資金規正法違反に当たるのではないかとか、それから公職選挙法違反に当たるのではないかとか、脱法内閣だと申し上げた。違法すれすれ、脱法」「刑事訴訟法とか日本の法体系の中でいえば、黒川氏を無罪放免にしているのは脱法」「安倍政権は脱法内閣と申し上げましたけれども、トップから隅々まで脱法体質がしみ渡っている」と厳しく指摘しました。

 カジノについては、辻元議員は「コロナで世界は変わった」「持続可能な社会や経済をどうやってつくっていくか」「カジノはビジネスモデルとして成り立たない」と指摘。安倍総理は「これはもう何回も答弁させていただいていますが」と前置きした上で、IRはカジノだけではないことを強調。「IR事業者の動向等も注視しつつ、感染症への対応などで新たに生じ得る諸課題も踏まえて、引き続き必要な準備を丁寧に進めていく」と語りました。

 辻元議員は「この後、経済政策を任せられるかな」と安倍総理の対応を疑問視。「コロナ後の持続可能性のある社会をどうつくるか、まったく発想がない。それでカジノにしがみついている」「安倍内閣は、広告代理店内閣ではないか」「安倍総理の記者会見を拝見し、ものすごく違和感がありました、ずっと。何か広告代理店のプレゼンみたい」「総理がどうしたいのか、一体どう思っているのか、総理のハートが伝わらない。国民への思いとか、国民と苦楽をともにするとか、そういう感じが伝わらない」と指摘。「私たちはどういうように社会を変えていくのか。残念ながら私は安倍総理はそろそろ潮どきかなと。ここまでよく頑張られましたよ。でも、ちょっと違う発想の日本をつくらないと日本は世界に取り残される」と語り質問を終えました。

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