2018年12月6日
【衆院本会議】水道法改正案が可決、成立。反対討論に初鹿議員
衆院本会議で6日、内閣提出の「水道法の一部を改正する法律案」の採決が行われ自民、公明、維新などの賛成多数で可決・成立しました。
水道法改正案の採決に先立ち、会派を代表して反対の立場で討論に立った初鹿明博議員は、「この法案は先の通常国会において、大阪北部地震の対応を理由に十分な審議なく、衆議院を通過し、参議院に送られ、継続審議となっていたもの。その後、水道事業の運営権を民間企業に譲り渡すコンセッション方式の導入が規定されている事実が広がるにつれ、マスコミも大きく取り上げるようになり、国民の不安の声も強くなってきている」と指摘しました。
また、地方議会でも野党系の発案に自民党会派が賛成し成立した新潟県議会をはじめ、多くの地方議会で今回の改正案に反対する意見書を採択しているということを紹介、「このような反対意見の高まりや参院審議で明らかになった問題点などを考えると、衆議院においても十分な審議時間を取り、改めて議論を行うべき」だとしました。その上で、「審議を行えば行うほど、問題点が明らかになり、反対の世論が大きくなることを懸念したのでしょうか。与党の側が審議拒否をして、採決を強行したことに強く抗議いたします」と述べました。
今回の改正案について、「人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤強化を図るためのものであり、これらの点においては必要性がある」と一定の理解を示した上で、反対の理由として(1)我が国において水道事業はこれまで公営で行われてきており、国内企業で水道事業を運営するノウハウを持っている企業はほぼ存在せず、海外で実績のある水メジャーと呼ばれる特定の企業がコンセッションに参入し、水道事業を特定の外資系企業に譲り渡すことにつながる、つまり日本を売り渡すことになる(2)世界の民営化水道の実態を調査している公共サービスリサーチ連合によると世界37カ国、235水道事業が再公営化されているなど、海外では民間委託が失敗に終わり、再公営化の流れが加速している中で、周回遅れで、コンセッション方式を導入する理由が理解出来ない(3)今求められているのは「安全安心な水道事業の継続」であり、民営化や運営権売却ではないこと――を挙げました。