2020年2月12日
安倍総理の「意味のない質問だよ」やじに「議会制民主主義を否定するものだ」と福山幹事長
福山哲郎幹事長は12日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)安倍総理のやじ(2)棚橋衆院予算委員長の議事進行(3)新型コロナウイルスへの対応――等について発言しました。
安倍総理は同日の衆院予算委員会で、辻元清美議員の質疑終了後に「意味のない質問だよ」とやじを飛ばし、審議は一時紛糾。野党の予算委理事は棚橋委員長(自民党)に審議を止めて事実確認するよう求めましたが、委員長は「私には聞こえなかった」と拒否。棚橋委員長の議事進行をめぐっては、これまでも与党寄りの進行を野党が問題視し、公平な運営を働きかけるように自民党に要請してきたという経緯があります。
福山幹事長は、安倍総理の辻元委員へのやじについて、「議会を冒涜するものであり看過できない。黒岩(宇洋)委員とのやりとりもそうだが、予算委員会中の安倍総理の態度、発言、やじ。それぞれ予算の審議をお願いしている総理としてあるまじき態度があまりにも多く、このことは議会制民主主義を否定するものだ」と厳しく非難。総理のやじについて13日午前、野党の幹事長・書紀局長会談を緊急に開き対応を協議していくと述べました。
棚橋予算委員長の運営に対しても、「目に余る。野党側の再三の注意喚起や抗議にもまったく反省の色もなく、このことについても看過できない。予算委員長というのは公平にやる前提で委員長に就いているわけであって自覚がなさすぎる」と批判。この点についても13日に協議をしていく考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染者の数が中国のみならず日本国内でも増え続けていることには、「収束の兆しが見えていないことに危機感を持っている。日本としては中国政府に対しできるかぎりの協力をすべきであり、中国政府においても医療体制を含めて必要な協力要請をしてもらうよう求めていきたい」と発言。一方で、「習近平国家主席の訪日は、桜の季節だと聞いており、3月末から4月の中旬頃までだろうと判断する」と述べ、「こういった時期のことを考えたときに潜伏期間や、いま収束の状況が見えないことを含めて、中国政府も国内のコロナウイルスの収束に向けて全力を挙げていただくべきではないか。中国国内においても、日本国内においてもまずはこの問題の収束が第一だと考える」と指摘しました。経済への影響についても「2002年から03年までにSARSが猛威を振るったときは、中国の全世界のGDPに対する中国の比率は約4.5%だったが2020年は約15%であり経済に与えるインパクトがまったく違う。日本も観光客が大変な勢いで減っていると感じており、私の地元の京都でも観光業の皆さんは危機感を持っておられる。観光業のみならず経済全体の問題について懸念しており、このことについても日本政府においてはきちんと注視して対応いただきたい」と求めました。