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2018年11月2日

「入管法改正案」閣議決定受け法務省からヒアリング 外国人受け入れ制度及び多文化共生社会のあり方に関する検討PT

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 立憲民主党は2日、外国人受け入れ制度及び多文化共生社会のあり方に関する検討プロジェクトチーム(PT)・法務部会・厚生労働部会の合同会議を国会内で開催しました。会議は、同日政府が新たな在留資格を追加して、外国人労働者の受け入れ拡大と在留期間の長期化を推し進めるための「入管法改正案」を閣議決定したことを受けたもので、法務省から同法案についてヒアリングを行いました。

 冒頭、あいさつに立ったPT座長の石橋通宏参院議員は、人手不足の解消を目的とした今回の外国人労働者の受け入れ拡大策について「国のかたちを左右する大きな方針転換だ。ただ入管法の改正案に矮小化し、短期間の国会で日程ありきで物事を強引に進めようとする政府の姿勢自体が看過できない」と指摘。「この認識を共有し、どういう社会を目指すべきなのかという議論を一緒に進めていきたい」と呼びかけました。

 法務部会長の山尾志桜里衆院議員は、「法務部会長としては、なぜこれが法務省だけで、臨時国会で閣法として上がってきたのかということに大変疑問を持っている。この国のかたちをみんなでもう一度考え直す、もしかしたら臨界点に来ている議論だ。外国人の方が留学、技能実習という名のもとで実質的にわが国の人材不足を補っていただいているなかで、しっかりとその対応がまったくできていない状況で、さらに屋上屋を重ねるような法案をこのまま通すわけにはいかないと思っている。立憲民主党として本質的な大きな方向性を示しながら一つひとつ論点を提示していく必要があると思う」とあいさつしました。

 会議ではまず、法務省から同法案の概要についてヒアリング。新たな外国人受け入れに関する「骨太の方針2018」(2018年6月15日閣議決定)の骨子と、それを受けた形での法案の骨子として「在留資格の創設」「受け入れ業種・分野」「外国人材への支援」「在留管理」等について説明を受けました。

 議員からの「新たな在留資格の創設に当たって『一定の専門性・技能を有し』とあるがその判断はどこで行うのか」「どの程度の人員を見込んでいるのか。上限規制は設けるのか」「市町村での業務が発生することが想定されるが、その体制や予算措置についてはどうなっているのか」といった質問に対し、法務省は「専門性や技能の有無については『試験等』で判断するが、試験以外のものも排除しない」「基本方針で所管省庁に見込み数を示してもらい、その数を超える人の入国には制限をかける。上限は設けていない」「市町村の予算措置については総務省の所管。総務省予算を付けるかどうかは把握していない」、受け入れ業種・分野については「人手不足であればいかなる分野でも活用できる」などと説明、具体的に何も定まっていないことが明らかになりました。

 とりわけ「永住許可」ををめぐっては、その申請要件を尋ねたところ答弁が二転三転。明確な答えが返ってこなかったため、あらためて同日夕、回答を示すよう要請。ずさんな法案内容が早速露呈し、議員らは「(法案が)生煮えどころか煮てもいない」と呆れました。

 その後、同PT役員会で取りまとめた論点をもとに議員間で意見交換。「安易に受け入れを拡大すべきではない」「現行制度の総括なしにあらたな制度導入はあり得ない」「現行の入管法や外国人への対応、技能実習生の劣悪な労働条件などをまずは改めるべき」など、さまざまな意見が上がりました。

 同日夕に開かれた会議では、午前中の会議で議員から求めのあった、「在留資格『特定技能』と永住許可の関係」と「新たな外国人受け入れのプロセス」について法務省からヒアリング。新設される特定技能1号、特定技能2号に関しては、入管法上の「就労資格」であるが、それに関する永住許可のあり方については現在検討中であり、法案成立後に検討するという方針であることが明らかになりました。

2018年11月2日PT配布資料.pdf