2020年5月27日
共同会派・総務部会の特別定額給付金ヒアリングで自治労が自治体現場の実情を報告
共同会派の総務部会は特別定額給付金に係るマイナンバーの運用状況に関するヒアリングを開催し、全日本自治団体労働組合(自治労)から自治体現場の状況を聞くとともに、総務省・内閣府から特別給付金の受付・給付の実施状況、マイポータルを通じたオンライン申請の仕組みと改善状況の説明をうけ、質疑を行いました。
自治労からは現場での実態として、(1)ゴールデンウィーク明けから早期の給付を希望する住民がマイナンバーカードのオンライン申請に関する手続きで住基窓口に多数来庁した、(2)自治体からのアクセスが集中したためJ-LISシステムがダウンしたことで自治体現場が対応できず窓口が混乱した、(3)一定規模以上の自治体は申請書送付事務に時間がかかるが、他自治体で「申請書の送付が始まった」との報道をみた住民から給付金担当窓口に自治体が怠慢との苦情が数多く寄せられた、(4)オンライン申請の入力不備の補正や台帳との突合に時間がかかるためオンライン申請を中止する自治体が出た、(5)住民要望と自治体間競争を背景に、給付金担当部署が極端な過重労働状況におかれた、(6)高齢者を中心に通帳などを持参する来庁者が急増し感染拡大の危険性が増大、住民からの苦情が相次いだ――などの事例が報告されました。
問題解消のための当面の対応策として、(1)オンライン申請の中止、(2)自治体間のスピード差はやむをえないこと、マイナンバー手続きでの来庁を控えること等を国の責任で広報すること、(3)オンライン申請と台帳データとの突合システムを国の責任で開発し自治体に提供すること――などが指摘され、中期的な課題として、(4)高齢化社会でオンライン申請を一般化することの難しさを理解し対応すること、(5)マイナンバーカードの普及によるJ-LISシステムのダウン防止策の費用対効果を検証すること、(6)業務集中により随意契約や非正規雇用が増えることによる職員の過重労働に対するメンタルヘルス対策の実施と責任体制の再確立が求められる――などを挙げ、自治体の実態や実情への十分な配慮と時間的配慮、財政的裏付けを求めました。