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2020年3月10日

「安倍政権の対応は発生当初から『遅い』『小さい』。感染者や経済的に厳しい方々に対する寄り添う姿勢がまったく見られない」福山幹事長

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 福山哲郎幹事長は10日、定例の記者会見を国会内で開き、(1)東日本大震災から9年(2)ニューヨーク株式市場が過去最大の下げ幅を記録(3)政府の新型コロナウイルス感染拡大防止の対応――等について発言しました。

 東日本大震災から明日で9年を迎えるにあたり、震災で亡くなられた方への哀悼の意を示すとともに、いまだに避難生活を余儀なくされている方やご遺族の方をはじめ、ご苦労とご面倒をおかけをしている方々にお見舞いの言葉を述べました。あわせて復興に際し、懸命に頑張っていただいている方々に感謝の意を表しました。

 その上で、「東日本大震災の経験は決して風化させてはいけない。原発事故の収束はまだまだ道半ばどころか遠い道のり」と語り、9年経っても厳しい状況は続いているとして「安易な原発の再稼働は進めるべきではない」と改めて強調。「イデオロギーとは関係なく、原発事故と東日本大震災に官邸の一員として携わったものとして、原発は1日も早くやめるべきだと今もまったく変わらずに思っておりますし、枝野代表も同じ思いだと思います。その事は立憲民主党の一つの理念であることは間違いない」と述べました。

 ニューヨーク株式市場が新型コロナウイルス感染拡大への懸念から株価が急落、値下がり幅が過去最大を記録したことについて、世界的株価暴落の起きた1987年10月19日のブラックマンデーを当時市場関係者として経験したことについて「朝まったく値がつかない市場を呆然と見ていた」「顧客の焦り・不安も大変なものでした。その日一日の市場が終わってから呆然とマーケットの画面を眺めていた事を今も思い出す」と振り返り、今回の件について、「痛手は一過性のものではなく、なかなか終わらない。1日の相場の一喜一憂ではなく世界経済の中で株式市場が揺れ動いてること、新型コロナウイルスという未知との戦いを世界中がしてることで、経済の不安定さと、先々の経済の危機感は非常に強いものがあり、マーケットと国民生活の両方とも予断を許さない状況である」との認識を示しました。

 新型コロナウイルス感染拡大の状況について、検査を受けられずに重症化をする感染者が複数人でてきていることを問題視し、また地元京都の福知山市では、病院職員が感染し濃厚接触者の数が百数十人いることを挙げ、検査の拡充を訴えるとともに、検査を受けるべき人が受けられない状況が続いている現状について強い危機感を示しました。

 さらにイベントの自粛要請や学校の一斉休校などの関係で経済にも大きな影響が及んでいることから、「安倍政権の対応は発生当初から、遅い、小さい。そして感染者並びに経済的に厳しい状況になっている方々に対する寄り添う姿勢がまったく見られないことは非常に残念」と語り、安倍総理のいう休業補償や保障をどういう形で示していくのか、参院の委員会などを通じてただしていくと述べました。

 主な質問とその回答(要旨)は次のとおりです。

Q:新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、特措法)の改正に向け安倍総理側が抱きついてきているので、政府側に要求事項を突きつけて受け入れさせる絶好の機会ではないか。例えば、野党提出の新型コロナウイルス検査拡充法案の成立や日本版CDC(疾病対策センター)の設立、非常事態宣言前に国会の承認を得るなど

 今、内閣委員会理事の間で付帯決議や法案修正も含めて詰めているところでございますので、その交渉をまずは見守りたいと思っています。
 われわれは今回の特措法改正について、もともと現行法でできるといい続けておりますので、その立場はまったく変わっておりません。政府側で言われている施行日の遡及等はしないということも飲ませてきました。
 先ほど申し上げたように、現場のコロナ感染の広がりについてどう対応するかの方が優先順位は実は高いと思っています。ただ相手側がどうしてもこの法案(現行法)でとにかくできないといい続けてきた。そのことの責任はあり、そのことで対策が遅れたわけですから。そのことも含めて、早くやらなければならないことは間違いないので、相手が「適用できない」、こちらが「適用できる」とその平行線でずっといくことが全体のコロナ感染者を減らすことに繋がらないことにならないように、今回は協力をするということでございます。
 今の現場の検査体制の拡充も含めて、早く対応することが経済状況についても、感染者の広がりも何とか抑えられることになると思いますので、そのこと早くやっていただきたい。

Q:政府が先ほど経済対策について、総額1.6兆円規模の資金繰り支援、4300億円の財政措置などを講ずると
公表しました。多くの国民からは今後の生活不安や対策が遅いのではないかとの指摘もありますが、改めて経済対策についての課題を教えてください

 今おっしゃられてた資金繰り支援は「借金をしろ」ということです。普通に事業を営んでいれば借金する必要がない事業者が、今回の安倍総理の突然の対応等によって借金をせざるを得ない状況に追い込まれているということですから、資金繰り支援が経済対策だと私はまったく思いません。負担をかけていることにすぎないので、私は具体的な救済策についてまったく足りないと思っています。
 これを申し上げるのがいいかどうか分かりませんが、先般私のところに来た要請は、140校くらい関東・関西の大学の入学式・卒業式・謝恩会などに対する学生たちの衣装を生協を通じて提供してる業者の方からでした。学生とそれぞれ契約をして、衣装を提供する段になって例の(政府の)イベントの中止要請と学校の一斉休校によって、この卒業式・入学式がほとんどなくなりました。今契約をしている学生さんたちに返金作業をしているそうですが、返金額が3月だけで10億を超えます。これでは商売が成り立ちません。何の罪もありません。こういった方々をどうするのか。
 もちろん、学校が休みなので家で子どもたちの面倒を見なければならず休業せざるを得ない人たちや、フリーランスの方々に対する休業補償は必要だと思います。それから、給食業者の方々が学校給食がなくなり商売が成り立たなくなることに対することについても一定の措置が必要だと思います。では、その方々と今申し上げた事業所と何が違うのか、どこが違うのか。
 これは一例で申し上げたわけですが、観光業では、旅館やホテルは多くキャンセルが出て2割や3割の稼働率に落ちていると思います。これも入国を事実上禁止した後、どういう変化があったのか。国の政策によってこうした事業者の方々は損失を被っているわけですから、それに対してどう対応するのかというメッセージがまったくない。もっと言えばそこに対して借金をしなさいというメッセージしかありません。
 これはちゃんと整理をしていただかなければいけないし、先ほど申し上げたように規模も小さい、時期も遅い、そして実際の経済的に厳しい状態に対して寄り添うメッセージもない。こうしたことは今後、顕在化し、声が上がってくると思います。この経済対策では、まったくもって対応しきれないものをどうしていくのか政府に迫っていきたい。
 (政府の緊急対応策第2段の「観光業への対応」について)これを見てびっくりしたのですが、これだけ観光客が減り、キャンセルが相次いでいるなかでなんて書いてあるか。「魅力的な観光コンテンツ造成、多言語表示等、観光地の誘客先の多角化等支援。事態終息後の官民一体となったキャンペーン等の検討」って書いてあるんです。馬鹿にしているのかと思いました。ちゃんと詳しいものを読み込んでいないので、詳しく読み込みたいと思いますが、まったく実態がわかっていないと言わざるを得ない。、こうしたことについては厳しくやっていきたい。

Q:安倍総理が大規模イベントなどの自粛要請について、今後10日程度継続するよう求める考えを示しましたが、受け止めを

 あの時、急きょ専門家の意見も聞かずにご自身で発表した政策ですから、今の環境からいうとその事については変更しようがないということだと思います。

Q:2月の立憲フェスで党所属の静岡県伊東市の市議会議員がジェンダーを考える出展ブースに参加している女性に対し「銀座のクラブのママみたいだね」などと発言していた。今回の件をどのように対応するのか

 その発言は非常に遺憾だと思います。私の方にも報告が上がってきており、非常にけしからん発言だと思います。
 われわれは第三者機関のハラスメント防止対策委員会を作っており、今回の問題については、この委員会に通報がなされています。委員会では、通報者、被害者、目撃者、本人から聞き取りをすでに済ませていただいており、ハラスメントがあったという認定をされています。
 本人が静岡県連合の所属者であるので、(1)静岡県連合で実施するハラスメント研修に参加をすること(2)研修参加後、静岡県連合担当者と本人が意見交換をしっかり行い、本部に報告をすること(3)本部からのさまざまな今後の連絡等についても真摯に対応すること――について、委員会から本人と県連に通知が行われたと報告を受けております。
 非常に遺憾なことだと思いますし、被害にあわれた方には申し訳ないことだと思います。

Q:特措法の改正について、現時点で政府の法案に対する賛否は

 交渉の行方を見守っています。
 代表・政調会長に一任になっておりますので、交渉状況を確認しながら、われわれにも当然報告があると思いますし、それを見守っている状況で、まだ決めておりません。

Q:政党は違うけれども会派で同じ方向の賛否を示したほうがいいと思いますか

 まずは政党がそれぞれどう判断されるかだと思います。そのあと交渉の状況を見た上で、それぞれの政党は判断しますが、それはお互いがコミュニケーションして決めていくことだと思っています。

Q:特措法が改正され成立した場合、総理が緊急事態宣言をだせるようになりますが、緊急事態宣言について運用のあり方についてどのように出すべきだとお考えか

 われわれは現行法でやれると言ってるので、現行法に緊急事態宣もすでにあります。ですから改正されて法案が出てきたからできる話ではないので、そこは誤解のないようにお願いします。
 今総理が緊急事態宣言を出す環境ではないとおっしゃってるので、それ以上でもそれ以下でもありません。

Q:先ほどのセクハラの件ですが、今回の事案は被害者保護の観点から具体名はともかく、事案の公表をすべきという判断は党としてなかったのか。こうした事案があったということであれば、問題を重く受け止めて、公表ないしは、しっかり事案を改めて調査し、どのような文言があったかなど、きちんと発表をするお考えはないか

 ハラスメント防止対策委員会から現段階で報告があったのが今のレベルです。
 委員会の中でどの程度事案を詳細に発表するかについての判断があったと承知しておりますので、今ご質問いただいたことを受けて、委員会にこうした質問があり、どう判断するかを投げたいと思います。これは私の判断ではなく第三者機関の判断がこういう状況であり、今日報告をさせていただいたということです。

Q:3.11当時、菅直人総理(当時)は、谷垣自民党総裁(当時野党)に連立を申し込みましたが、それはひとえに自民党が立派な野党だったからだと思う。今の野党は自民党からしたら誰と話したらいいのかわからないほど弱小多数で、そういう状況を作っていることを野党は考えないといけない。与党の批判もいいが、こういう状況になってきたら、野党はもう一度固まるとかしないと結局何のチェック能力もないのではないか

 自民党が3.11当時、立派な政党だったかどうかわかりません。
 なぜなら原発の収束について対応してるさなかに不信任案の提出の議論がありました。それから、われわれは地震が発生した3月11日2時46分の後、夕方の6時には各党党首を官邸に呼び協力依頼をさせていただきました。それから私は官房副長官として、各党の政調会長から定期的に個別の要望を承り、それを全部役所に投げ、回答まですべて各党政調会長に報告に上がることまでやってまいりました。それが良かったかどうか、適切だったかどうかは分かりません。
 野党がまとまっているかいないか、政権の姿勢なのか、私は何とも言いようがないと思います。
 チェック能力がないと見られているのは、われわれの力不足だと思いますが、チェック能力が本当にないのかどうか。固まっているからあるのか。今の状況でも一定のチェック能力を果たしていると思っています。そう見られてることは非常に残念ですが、当時と比べて、例えば野党が固まっているから立派かどうかは別だと思っています。
 菅さんの注水を止めたという事実ではないことを、震災の3日目4日目の一番厳しい状況の時に発信をした今の総理のような方も当時の自民党にはいらっしゃいます。ちゃんと協力をして、いろいろな具体的な要望をいただいて、応えさせていただいて、建設的な対応をさせていただいた先生方もいらっしゃいます。
 ですから一概に言えるわけではないと思いますし、われわれが適切にやりきったなんて傲慢なこと言うつもりはありません。
 固まって人数が多いから立派だと、それから当時の自民党は立派だという議論はあまり成り立たないと思います。少し言葉が過ぎるかもしれませんが、当時現場にいたものとして、申し上げさせていただきます。

Q:日本版CDC設立のお考えはないのか。特措法との駆け引きではなく、野党全体として申し入れる考えはないのか

 東日本大震災当時、われわれは専門家の方に当初から官邸の周りにいていただき、常に原子力の専門家と放射線医療の専門家の方に逐一意思決定する時に確認をしていました。
 一方で当時、経産省など、どちらかといえば原発を推進してきた方々もいらっしゃいました。ですからその方々と、そうではない原発に対してどちらかといえば否定的な方もあわせて両方の意見を聞く中で、意思決定をしてまいりました。
 これも政権の姿勢の問題です。違う意見を受け取るかどうかは、政権側の懐の問題です。一方で専門家委員会を構成したにも関わらず、専門家委員会の意見も聞かず物事の意思決定をしている政権ですから、そこをどう考えるかだと思います。
 昨日蓮舫さんが(予算委員会で)指摘した、安倍総理が意思決定をしてると言っていた「連絡会議」、枝野代表の質疑でもそのことを言われましたけれども、連絡会議とは名ばかりだった。私は官邸にいましたから、あれは総理レク(総理に対するレクチャー、説明)の類だろうと思っていました。議事録なんかないだろうと。
 だけどそれでああいった大きな意思決定をするのは絶対に民主国家としてまずいというのは信念としてあります。だから昨日のように、議事録も残ってないというのは大問題だと思います。クルーズ船に留め置くことにした意思決定だって、どうやって決めたか、どういう議論があったか、まったくかわらないのだから。
 もちろんいろいろなことを提言していきます。われわれ自身も今の政府の考え方、感染の度合いや検査の問題について、政府の専門家とは異なる意見の先生方の話も聞きますが、政府に入っている専門家の先生の意見もすべてが駄目だとは思わないです。ゼロかサムではないですね、こういうことは。
 科学的な根拠について、お互いが積み上げをする中で合意形成し、そこで国民の皆さんになんとか納得をしていただける作業をするのが政府の役割だと思いますが、その作業が少し安倍政権は足りないと思います。「少し」という言い方はちょっと遠慮して言いましたが。
 制度があるから全部がカバーできると、この政権ではまったく思いません。制度を平気で壊すので。
 検事長の話だってそうです。ですから、この感染が広がってる中でどう感染拡大防止をするのか、被害が出ている事業者や個人に対してどう経済対策・保障をしていくのか。こうしたことを実質的に問題提起をし、政府を説得していくのが、われわれ野党の今の役割だと思いますし、立ち位置だと考えています。

Q:何回も申し入れをして実現させるということは

 国会の審議でもわれわれは十分に言ってると思います、総理に向かっても。官邸に言ったから聞くのか、国会で予算委員会で言うから聞かないのか、おかしいですよね。

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