2020年1月22日
「相変わらず支離滅裂、論理的整合性の取れない、無茶苦茶な答弁。審議を通じて矛盾を明らかにしていく」枝野代表
枝野幸男代表は22日、安倍総理の施政方針演説に対する代表質問の後、記者団の取材に応じました。冒頭の発言と、記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
(枝野代表冒頭発言)
代表質問ということで、この国会で残念ながら最も大きなテーマになっている桜を見る会、カジノ、2閣僚の辞任などについて、改めてこれまで問題になってきたことを問いただしましたが、残念ながら相変わらず支離滅裂、論理的整合性の取れない、無茶苦茶な答弁しかできなかったことを大変残念に思っております。
言い訳がこうしためちゃくちゃなものだということを改めて確認できましたので、これから補正予算、そして本予算の審議を通じて、同僚議員がしっかりと、細かく、その矛盾を皆さんの前に明らかにしていく、そのスタートラインには立てたのではないかと思っております。
また、今の政権とは違うもう一つの政権の選択肢について、私なりの思いを訴えることができたと思っております。これをベースにして、党内外でしっかりと肉付けをして、政権の選択肢として、今の政権よりもしっかりとした国民一人ひとりの暮らしの豊かさを作っていくことができる、というビジョンをさらにブラッシュアップしてまいりたいと思っています。
Q:桜を見る会について総理に辞任を求めたが、その回答がなかったことについて
今日も支離滅裂な、辻褄の合わない言い訳を繰り返しておられました。何とかそういったことでごまかそうとしておられるんだと思いますが、国のリーダーがこうした姿勢では、社会のモラルを本当に回復不能なところまで破壊しかねない状況であるという自覚がないことを残念に思います。
Q:実質賃金について民主党政権時の回復傾向に触れつつ、いつまでにどう増やすのか総理に質問した際に、総理は民主党政権下でデフレが進行していたと主張し「当時の改善を持ち出すのはデフレを自慢するようなものだ」と答弁したことへの受けとめを
7年やってもデフレから脱却していないですよね。それなのにその話と矛盾している。何でも前政権のせいにして言い逃れをしようという、いつものみっともない姿勢が出ただけだと思っています。
Q:玉木代表が「枝野代表と質問項目について打ち合わせをした」と代議士会で発言していたが、質問内容のすみ分けなどは
国対はもう一体化しておりますので、それぞれの準備のプロセスの中で、自然に違和感なくすみ分けができたと思っています。私の方が先にやらせていただきましたので、どちらかというと大局的な観点から質問をさせていただき、その上で玉木代表から、より具体的なところで厳しく問いただしていただいて、全体として非常に良かったんじゃないかと思います。
Q:桜を見る会に関して明細書の開示を求めたが、相変わらず資料提供を拒む姿勢への受けとめと、端末ログの提出を「セキュリティの問題で開示できない」と拒否した答弁について
「やりたくないから出さないんだ」という答えでしかないと思っています。申し上げました通り、ホテル側には発注者の求めに対して、事後的であっても明細等を発行しなくてはならない義務があると認識をしています。ホテル側が拒否をされるのか、ホテル側にきちんと皆さんも取材していただきたいと思いますし、本当にホテル側が拒否しているならば、国会に来ていただいて証言をしていただく必要があると思いますが、そんなことはないと思っています。発注者が出してくださいとお願いをすれば出すはずです。
それからログについては、本当にセキュリティ上の問題になるような性質のものであるかどうか、そのこと自体、非常に疑わしいと思っておりますし、もしそういう部分があるとしたら、その部分を部分的に黒塗りするなどのやり方はあると思います。さらに言えば、国会の秘密会などという手段もあります。やろうと思えばできるということを認めていただいたと思っています。
Q:憲法改正についての自民党の二階幹事長の質問で、総理は「内閣総理大臣としてお答えは差し控える」としつつも、「あえて言えば参院選や世論調査を通じて、憲法改正への国民的意識が高まりを受けて、憲法審の場で与野党を超えた活発な議論があることを期待したい」と答弁したことについて受けとめを
「語るべき立場ではないと言うんだったら語らなきゃいい」ということでそもそも論外ですが、そもそも国民の意識が高まっているという客観的事実自体が存在をしていない。まったく何事も自分の都合の良いようにしか解釈をしていないということの象徴だと思います。
Q:枝野代表が原発ゼロに触れ、玉木代表が憲法について質問したが、その辺りは役割分担ということなのか、その狙いについて
別に一項目一項目、何か擦り合わせをしてやっている訳ではありませんので、結果的にそうなったということだと思います。
Q:玉木代表が「IR推進については凍結を求める」と発言していたが、野党としてIR廃止への足並みは揃っているのか
玉木さんはIRと言いましたかね。「カジノをやめるべきだ」ということが今一番大事なことであって、「カジノが無しなら、おやりになるならどうぞ」と考えるか、「カジノが無しなら、どうせ全部無しだよね」と考えるかということの違いではないですか。本質的な問題ではないです。
Q:「連携協力する他の野党と違いを認め合いながら、力を合わせて政権交代を実現する決意だ」との決意表明について、国民民主党との合流が見送りとなったが連立政権を目指していくという考えか
「立憲民主党はもとより、会派を共にする皆さん、」その(読点の)後の話です。国民民主党の皆さんは、「立憲民主党はもとより、会派を共にする皆さん、連携協力する他の野党の皆さん」の「連携する他の野党の皆さん」の前の「、会派を共にする皆さん」だと思いますので、今の質問は前提が違います。
Q:昨日の福山幹事長との平野幹事長(国民民主党)との会談で、立憲と国民の合併に関する協議について、とりあえず一旦は協議を中断という形になったことへの受けとめを
昨日、幹事長が申し上げた通りです。
Q:「これから共同会派の運営でさらに深化していく」という話の一方で、お互い溝が深まったという、お互いの関係について危惧・懸念の声もあると思われるが、その点についての受けとめを
昨日の両幹事長から、皆さんにきちんとご報告をしていると思いますが、そういう心配はないと思っています。
Q:当面、合併ができなくなったことで野党のバラバラ感が増したという指摘もあるが、野党第一党の党首として、この結果をどう受けとめているのか
私が呼びかけたのは、共に戦う呼びかけをして、共に戦っております。
Q:子どもを産み育てることへの支援ということで、特に「不妊治療に苦しんでいる方もいる、保険適用をすべきではないか」という質問について、個人としての思いも含めて
不妊・不育治療、いわゆる生殖補助医療について、保険適用を含めた支援強化は私自身ライフワークの一つでありますので、これまでも国会審議の場で折々求めてきたところであります。
記者の皆さんはご承知の通り、個人的にも若干この件について世論を喚起するようなことがありましたので、改めて代表質問の場で指摘をさせていただいたということであります。
今日も残念ながら前向きのご答弁をいただけていませんので、引き続き粘り強く、また党内外の世論を喚起しつつあると思っていますので、そうした思いを同じくする皆さんとさらに連携を強化しながら、前に進めていけるように頑張っていきたいと思っています。
Q:12月の幹事長会談では一つの政党になることを目指していながら、年明けの会談でそれが実らなかったことについて、党首としての受けとめを
残念ですが、その確認をした幹事長が最終的なところを昨日ご相談して、皆さんにブリーフしていますので、その通りです。
Q:玉木代表の代表質問での夫婦別姓のやり取りの中で、「だったら結婚するな」というようなヤジが飛んだと玉木代表は発言していたが、枝野代表は自席でそれを確認しているか。また、そういったヤジが飛ぶことについての受けとめを
正直に言って自席で直接は聞こえておりませんが、そういうヤジがあったということで国対で対応をしていると承知をしております。
まさに今の社会の状況や選択的夫婦別姓を待っておられる皆さんの心情を逆なでするような、とんでもない発言、この政策そのものについての意見の違いはあったとしても求めてらっしゃる皆さんを傷つけるとんでもない発言。国会議員としてあるまじき発言だと思っています。