2018年10月31日
国税労組が定員確保と処遇改善などに関して海江田最高顧問らに要請
31日午前、国税労働組合総連合(国税労組)は、国税職員の定員確保と処遇改善などに関して、海江田万里最高顧問、川内博史、落合貴之、高木錬太郎、道下大樹各衆院議員に陳情書と署名を手交、意見交換をしました。
国税庁の定員は現在55,674名で、平成11年の57,100人から1,426名減少しています。一方で、法人税申告者数は、同時期で2,681件から2,896件に増加。さらに最近は、経済取引の国際化や情報通信技術を利用した取引の市場拡大に伴い、税務関連の調査・徴収が複雑・困難化しています。その影響もあってか、法人税の実調率(税務調査に入る割合)は、平成11年の5.6%から、3.1%まで下がっています。
国税労組からは、歳入確保のために適正・公平な課税と徴収の実現を図り、税務行政に対する信頼と期待を持続させていくために、以下の3事項の実現について陳情がありました。
(1)税務行政の執行水準を維持するための定員の確保
(2)社会経済情勢に適応した機構の充実
(3)税務執行経費などの確保
意見交換では、(1)来年の複数税率およびインボイス制度の実施に伴う国税庁の負担増加の見込み(2)高額所得者の優先調査による滞納率大幅削減(3)海外取引に対する調査手段強化の必要性――などについて話し合われました。