2018年6月28日
働き方関連法案が審議打ち切りで採決・可決に「甚だ遺憾」と石橋議員ら
参院厚生労働委員会で28日夜、「働き方改革」関連法案の採決が行われ、自民、公明両党と維新の会などの賛成多数で可決しました。
立憲、共産、希望の会(自由・社民)の参院野党3会派は審議不十分だとして、審議を強行に打ち切った島村参院厚労委員長に対する解任決議案を提出しましたが、参院議院運営委員会でこの解任決議案は差し戻されることになりました。
これにより、休憩となっていた参院厚労委員会は再開され、採決が行われました。
採決後、那谷屋正義参院国会対策委員長と厚労委員会理事の石橋通宏議員、厚労委員の難波奨二議員は国会内で記者団の取材に応じ、審議不十分ななかでの強行採決に抗議の意を表明しました。
石橋議員は、「こういう形で審議が打ち切られ、採決が行われてしまったことは残念でならない。与党は国会の会期を大幅に延長し、まだまだ十分に審議をする環境にあり、またそれだけ(審議をする必要のある)の法案だ。もともと8本もの法案を束ねて国会に提出したのは誰なのか。いくら審議をしても論点は尽きず、われわれは真摯(しんし)に審議に臨み、徹底的に論点を追及した。まだ審議は尽くされず、政府の答弁はこの期に及んでも二転三転して定まらない。新たに出した論点についてもまったく準備ができていないという状況のなかで、国民の命、働く者の命・暮らしに直結する重要法案の審議をこういう形で採決をしたことに対して厳重に抗議をしたい」とコメントしました。
法案については、安倍総理や加藤厚労大臣がメリットだと答弁してきた「長時間の労働の削減」や「過労死の撲滅」が法律上は何ら担保、保証がないこと、とりわけ「高度プロフェッショナル制度」は、現場で濫用・悪用されてしまえば過労死促進、定額働かせ放題に直結することが明らかになったと指摘。こうした問題点について全く説明がされないまま、審議を打ち切られ採決されたことに、「甚だ遺憾だ」と述べました。
47項目の付帯決議がなされたことには、「法案の欠陥を物語っている」と指摘。付帯決議には、賛成で臨むつもりで共同提出者として名前を連ねると意見表明していたにもかかわらず、理事会で認められなかったことを明らかにし、「前代未聞だ。付帯決議に参加する、しないは、各会派の評決権の問題だ。できるだけ議会の意思を尊重するために、多くの会派が賛同を決定するのが付帯決議だ。残念ながら与党だけではなく一部野党も同調し、われわれが共同提案者になることを拒否し、排除された。残念であり遺憾だ」と経緯を説明。その上で、付帯決議に賛成した立場から、今後の運用、活用していくための役割を果たしていきたいと述べました。