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ニュース

2019年9月21日

台風15号被害の千葉・鋸南町と市原市を枝野代表が視察、全壊半壊等の認定基準の見直しなどが課題と指摘

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 枝野幸男代表は21日、台風15号による災害状況を確認するため千葉県安房郡鋸南町と市原市を視察、町長・市長から被害状況の説明を受けました。視察には党災害対策局長で台風15号災害対策本部事務局長の岡島一正衆院議員、同副本部長の生方幸夫衆院議員、同本部幹事の長浜博行参院議員、役員室長の阿久津幸彦衆院議員の他、党所属の県議会議員、市議会議員らが同行しました(写真上は、鋸南町勝山海水浴場近辺で雨漏りで濡れてしまった家財を屋外に出す住人と話をする枝野代表)。

鋸南町役場で町長、副町長、議長から被害状況の説明

 鋸南町の白石治和町長は開口一番、「竜巻のようだった」と今回の風による被害について説明しました。また、被災当初、停電していたため県との連絡が思うように行かなかったと話し、代替策を用意しておく必要性について指摘がありました。また議長から農業関係では、ビニールハウスやガラス温室がぼぼすべて倒壊してしまったと説明があり、今後、強い風に対応できるものが必要との話がありました。さらに今回の被災により地域の過疎化や高齢者の離農の懸念があるとして、そうした観点からの復興が必要との指摘がありました。また町長からは、東京湾内にアクアラインのようなルートがもう一つできると首都圏の復興や経済の活性化につながるのではないかとの話もありました。

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白石町長(左奥)らから被害状況の説明を受ける枝野代表ら

鋸南町の各地域を視察

 役場での説明の後、町内を視察。岩井袋地区と勝山海水浴場周辺では、台風により屋根や壁が崩壊した家屋などの状況を確認しました。また、保田漁協直営の食堂「ばんや」を視察。観光客も多く集まる人気の観光スポットですが、8月初旬に定置網に被害があり、さらに今回、建物の屋根が飛ぶなどの被害を受けました。

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岩井袋地区の視察
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勝山海水浴場周辺の視察。写真右下の赤茶色の瓦の家屋は屋根がなくなっている
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勝山海水浴場周辺の視察で住人から被害状況を聞く。写真右下はボランティアの方々
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保田漁協直営の食堂「ばんや」の内部と外からの様子

市原市内を視察

 市原市内では、強風によりゴルフ練習場の鉄柱が倒れ家屋が破壊された現場と、水上の太陽光パネルで火災が発生した現場を視察しました。

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ゴルフ練習場鉄柱が倒壊した現場で住人から被害状況を聞く
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火災が発生した水上の太陽光パネルを視察

市原市役所で市長らから被害状況の説明

 市役所では小出譲治市長らから、市内の倒木や家屋の被害、農作物や農業用施設等での被害状況の説明を受けました。農作物ではブランド野菜の「姉崎大根」や出荷時期を迎えている梨の被害について報告があり、梨は約8割が落下してしまったとの話がありました。

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被害状況の説明をする小出市長(右)

視察を終え記者団からの取材

 視察を終え、枝野代表は記者団の取材に応じました。

 冒頭、枝野代表は屋根の損壊で雨漏りした家屋のカビ等の匂いなど「写真や動画だけでは感じられない、現場の実態を認識させていただいた」と語り、次の点を強調しました。

 1点目として、「広域にわたり、多くの家の屋根が飛んだというケースは過去にほとんど例がない」と指摘。見かけ上壊れているのは一部分だが、実際にはほとんど使い物にならない状況の住宅が非常に多いとの認識を示し、全壊半壊等の認定基準の見直しを含め、柔軟な対応をするのが政治的な役割だと語りました。

 2点目として、市原の大根や梨などの農業、鋸南町での水産業の6次産業化など、農業や水産業などが盛んな千葉県の特徴を踏まえ、1次産業を見落とすこと無く、産業支援を進めていく必要があると語りました。

 3点目として、初動についての検証はこれからだが、電力が止まったことで情報伝達が困難であった地域が広域にあり、情報がない地域ほど大きな被害を受けている可能性が高く、そのことが初動対応に一定の影響を与えていたとの認識を示し、枝野代表自身が経験した東日本大震災での教訓から情報伝達手段について改善してきたが、今回のような自然災害の時に電力が切れることで情報が伝わらないことがないよう検証していく必要があると語りました。

 4点目として、今回の被害は、大規模地震や、昨年の岡山愛媛などの水害に匹敵するものだと指摘。直接災害そのものが原因で亡くなられた方がないという側面はあるが、社会、経済、住民生活に与えている影響は非常に大型の災害であるのは間違いないとして、政府もこうした、かなり大規模な災害という認識と危機意識をもった上で対応していただきたいと語りました。

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:政府の対応について、関係閣僚会議を開いていないなどの批判があることについてはどのように思うか

 経済や暮らしに与えている影響という意味では、災害対策本部を設置するに匹敵する被害が現実に生じているというのは、紛れもない現実。残念ながらそうした状況認識をされていないのではないかと思わざるを得ない。災害の生じたときには被害に遭われた皆さんや関係者の皆さん、さまざまな不安を持たざるを得ない状況に追い込まれておられる皆さん、そこに向けて政治の役割として大変な危機意識を持って国をあげて対応しているんだというメッセージも大事なことだと思っているので、これからでも災害対策本部を設置し、閣僚あるいは総理が先頭に立って対応にあたっていただきたい。
 また、残念ながら何故か開催が遅れましたが、災害対策特別委員会が国会で開かれるので、そうしたところで、こうした認識をしっかり持っていただきたいと求めていきたい。

Q:臨時国会でも引き続き取り上げていくのか、どういった対応で臨むのか

 災害対策特別委員会が来月1日に開くことをようやく決めていただいたようなので、わが党としても岡島局長を先頭に衆参でしっかりと今後のこと、そしてこれまでの検証をやっていかなければならない。まずは今後のことが重要。そうすると通常(臨時)国会はさまざまなテーマがありますが、今後の復旧復興にむけた政府としての対応と同時に、これまでの検証をしっかりやっていかないと、同様なことは各地で今後も必ず起こるので、今回の教訓をしっかりと生かしていけるような議論をしていきたい。

Q:(別件で)共同会派の関連で、立憲と国民の間でこれまで軋轢があったなどと結束できるか疑問視する声が一部にあるが、今後結束に向けてどういった方針で臨んでいくか

 軋轢があったというのは皆さんがお書きになっているだけの話ではないでしょうか。

Q:今日の視察で具体的に政府にどのようなことを伝えていきたいか、情報をあげていきたいか、何か発見はあったか

 政府にもご負担をおかけしないように1日1回取りまとめて岡島局長から政府にきめ細かく、これまでも伝えさせていただいてきておりますので、詳細はむしろそちらからお話をいただいたほうが良いんだと思います。今日改めて感じたのは、先程申しましたが、見かけ上は屋根の一部が壊れているだけのように見えるけれども、実はそこから雨が吹き込んで全壊に近いような内実であるという実態と、それの広がり。屋根を損壊させた家屋の多くが、そうなっているという現実は必ずしも十分な認識がされていないのではないか。繰り返し、また強く指摘をして、従来のやり方に固執することなく柔軟な対応を求めていきたい。

Q:自民党の下村選対委員長が、議論を進めない野党の姿勢を批判した上で、臨時国会で憲法改正の議論を進めていきたいという考えを示した。これについて野党第一党の党首としてどのように憲法論議に臨んでいくか

 下村さんは、この前まで担当されていたわけですから、そういう嘘を言ってもらったら議論は進みません。衆院憲法審査会では、国民投票法の議論をしましょうと、具体的に何を議論するかということで、私は船田先生を参考人として呼びましょうと具体的な提案をして、審議を求めてきたのは野党側です。したがってそういう嘘を言って国民を誤魔化すような、騙すようなことを言ったのでは建設的な議論は進まないと思います。まずはわれわれが求めてきた国民投票法の議論、われわれから求めているので、しっかりと応じていただければ審査会は順調に開催されるということです。

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