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ニュース

2018年9月20日

【北海道地震】現地視察後に「スピード感と風化させない対策が必要」と枝野代表

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 枝野幸男代表らは19日、震度7を観測した地震から20日で2週間を迎える北海道を現地調査しました。調査には、党北海道連合代表で北海道地震災害対策本部副本部長の佐々木隆博衆院議員、同対策本部事務局長の阿久津幸彦衆院議員、道連幹事長の市橋修治道議会議員らが同行しました。

液状化被害現場調査(札幌市清田区里塚一条1~2丁目付近)

 震度5を記録したこの地域では、液状化被害により応急危険度判定(※1)で「危険」とされたものが85戸、「要注意」84戸で、問題が生じた建物は地域内の3割超に上ります。また、1968年と2003年の十勝沖地震でも液状化が見られた地域です。

※1 大地震等で被害を受けた建築物について、その後の余震等による倒壊や外壁・窓ガラス等の落下、機器の転倒等の危険度を調査し判定すること

液状化で中央が谷のようになってしまった公園
液状化で中央が谷のようになってしまった公園
液状化で周囲が落ち込んでしまったマンホール
液状化で周囲が落ち込んでしまったマンホール

むかわ町での被害状況調査

 むかわ町では、竹中喜之町長と面談し被害状況の報告と、今回の地震被害にかかる緊急要望書を受け取りました。特に(1)早期の生活再建や環境保全を図るための補助対象の拡大(2)JR日高線の早期復旧と維持存続(3)仮設住宅の早期建築や地域事情を考慮した入居基準の緩和――について強調した要望を受けました。

 その後、町内の家屋倒壊現場を視察。建物が倒壊し道路にかかったため既に自宅兼店舗の新聞配達所を解体したという方は、配達に出た直後に1階が押しつぶされたとのこと。また花屋の方は建物が傾いたため家財道具などの撤去作業をしていました。

 さらに明治期に経てられた旧「鵡川駅逓」を視察。駅逓は北海道独自のもので交通補助機関とされていたもの。面談時、竹中町長は「地方創生のシンボル的な建物の一つとして残していきたい」と語りました。

 むかわ町は震度6強、死者1名。中心市街地の建物被害が多く、建物被害は倒壊6件(鵡川6)、倒壊の恐れのあるもの24件(鵡川14、穂別10)、その他大きな損傷を受けたもの15件(鵡川11、穂別4)避難者数は4カ所(鵡川2、穂別2)で172人。(19日10時現在)

竹中町長から要望書を受け取る枝野代表ら
竹中町長から要望書を受け取る枝野代表ら
新聞配達所だったところで話を聞く枝野代表ら
新聞配達所だったところで話を聞く枝野代表ら
家財道具などを撤去する合間に話を聞く枝野代表ら
家財道具などを撤去する合間に話を聞く枝野代表ら
旧鵡川駅逓前で話を聞く枝野代表ら
旧鵡川駅逓前で話を聞く枝野代表ら

厚真町での被害状況調査

 厚真町では、役場庁舎前に設置された犠牲者追悼献花台に花を供えた後、宮坂尚市朗町長と面談。被害状況の報告と、むかわ町と同様に要望書を受け取りました。宮坂町長は浄水場の復旧が大きな課題だと言い、さらに稲の収穫時期を迎え土砂撤去の問題、特別養護老人ホームの復旧復旧については雇用の観点からも早急に行いたいという要望や寄せられ、長期的な地域復興の必要性が訴えられました。

 その後、同町の富里地区と、裏山の土砂崩れに巻き込まれた稼働したばかりの富里浄水場を視察しました。

 厚真町は震度7、土砂崩れによる死者は36名。被害は農業被害を含まず157億円強と試算しています。

役場庁舎前の献花台に花を供える枝野代表ら
役場庁舎前の献花台に花を供える枝野代表ら
宮坂町長から話を聞く枝野代表ら
宮坂町長から話を聞く枝野代表ら
土砂に埋もれる富里浄水場
土砂に埋もれる富里浄水場
富里浄水場の前で説明を受ける枝野代表ら
富里浄水場の前で説明を受ける枝野代表ら

調査視察後、記者団からの取材

 枝野代表は調査視察後、記者団の取材に応じ、(1)スピード感をもって対応していく必要性(2)風化をさせないように今から手を打つ必要性――があると語りました。

 スピード感については、これから冬に向け北海道の地理的・気候的な意味合いと、過疎などに直面しているなかで、もう一度同じ場所で頑張っていくんだと住民の皆さんが思えるような対応が必要だと述べました。

 風化対策については、一つひとつの甚大な被害が点在しそれが広域にわたっている状況と、過疎などで厳しい状況にあることから、多様な対応が必要であるため長期的な支援が必要あり、その側面から風化させない対応が必要だと述べました。

 補正予算の必要性について問われると、西日本豪雨や台風21号など予備費だけでは間に合わない被害が続いていると語り、「まずは政治の姿勢として、補正を組んで国でやれることは最大限やるというメッセージを、特に被害に直接あわれている皆さんに伝えることは避けられない」として一刻も早く政府としてこうした方針を明確に示すように強く求めていくと述べました。

 ブラックアウトも問題になった苫東厚真発電所に依存している電力の供給体制については、「(経産大臣の)在任当時からエネルギーは分散化させなければいけない、一極集中をするとそれは脆弱である、残念ながらその時に私が指摘をし改善すべきということで動き出させたつもりであったことが、その後動かずにこういう実態になっていることを大変残念に思う」と述べ、エネルギー電力を地域ごとに分散化することで供給のストップを最小限で短時間に抑えられるということを引き続き訴えていくと語りました。

 視察以外の質問では、安保法制成立から3年を迎え、シナイ半島の多国籍監視軍司令部に自衛隊員の派遣を検討するといった報道もあるなか、政府の姿勢や野党として対応について問われると、「当時の民主党の対応も、現在立憲民主党の対応も、安保法制全体を否定しているものではない。安保法制の中の集団的自衛権の一部行使容認という立憲主義に反し、憲法典にも違反するという点について、これはやめるべきであると申し上げいる。違憲の法律は使わせないということをやった上で、違憲部分をやめさせることにできるだけ早く繋げていきたい」と語り、今回報道されている問題については、「その憲法違反、立憲主義違反の部分に踏み込むものであるのか、もう少し緻密な分析をした上で見解を示したい」と述べました。

記者団の取材に応じる枝野代表ら
記者団の取材に応じる枝野代表ら