2017年12月14日
【談話】平成30年度税制改正大綱について
立憲民主党 税制調査会長 海江田万里
本日、与党の平成30年度税制改正大綱が決定された。
個人消費が伸び悩み、格差の拡大が懸念される我が国の現状にあって、税制を通じた所得再分配機能の強化を議論しなければならない中、今回の税制改正が小手先の議論に終始したことは、与党としての責任を放棄したと言わざるを得ない。
特に、今回の控除見直しでは、増税となる会社員の年収基準を850万円としたが、都市部では中間層に位置する層であり、家計分析に基づく精ちな議論を経ての決定とは言い難い。他方で、格差を縮小するためにも重要な課題である金融所得課税の見直しは全くの手つかずで、富裕層優遇のアベノミクスの姿勢は相変わらずである。
また、今回の改正で「森林環境税」「国際観光旅客税」など、新たな目的税が導入されることとなった。なぜ既存予算の組み替えではなく、新税の導入が必要なのか、十分な説明が尽くされたとはいい難い。このような目的税が、無駄遣いを誘発する危険な手法であることは明らかである。施策の効果の測定が不十分なまま、財源ありきで施策が粗製濫造されていくことは、本末転倒であり、今後、その必要性や使途について厳しく精査する。
立憲民主党は、次期通常国会において、このような諸点を中心にその問題点を厳しく明らかにしていく。あわせて、今後、綱領、基本政策の議論を踏まえ、目指すべき社会像を踏まえた税制のあり方を示す「税制の基本方針」を決定する。
今後、控除のあり方を含め、抜本的な税制改正に向けた議論が進むことを切に期待する。
以上