2019年6月19日
与党の予算委員会審議拒否、老後2000万円問題、問責決議案などについて発言 福山幹事長
福山哲郎幹事長は18日、国会内で定例の会見を記者会見を開きました。
記者から、参院予算委員会を規則に則り要求しているものの開催に至っていないこと。また2017年には憲法の規則に則り臨時国会を要求してもなかなか開かれないことがあり、こうした政府与党の対応について問われ、「論外」と批判しました。
与党側が予算委員会を開催しても出席しないと言っている状況について、「これを審議拒否と言わずに何と言うのか」と語り、「言語道断としか言いようがない」と話しました。さらに、イージス・アショアの問題、経済の不透明な問題、外交でもG20、イラン訪問、米中の貿易摩擦など多くの外交案件も抱えているとして、引き続き開催の要求をするとともに予算委員長に責任が生じてきていると指摘、100日以上に及ぶ予算委員会の審議拒否は参院選の一つの争点になるとの見解を示しました。
いわゆる老後2000万円問題については、10月に消費増税もあり「社会全体に非常に追い詰めたような空気が広がることを非常に懸念している。消費がさらに収縮することについても心配をしている。政府の対応は理解に苦しむ」と話しました。さらに、政権にとって都合の悪いものを受け取らないのであれば、今後、さまざまな審議会で政府が喜んで受け取るものしか報告書を書かなくなるとの懸念を示しました。受け取り拒否の問題は、森友加計学園の文書改ざん、国会での虚偽答弁、防衛省の日報の廃棄や隠蔽、厚労省のデータの不備等も含めて、不都合な真実を国民に隠すという安倍政権の体質そのものが表れてきたと話しました。
参院歳費の自主返納法案が成立したことについては、歳費を減らすか否かではなく、定数を増やすか否かが争点だとして、定数を減らすことを訴えていきたいと語りました。
衆院での内閣不信任案ではなく参院での問責決議案について言及した枝野代表の発言で与野党から日和ったのではないかと批判が出ていることについては、安倍政権の責任を問うのは衆院でも参院でも同じであり、参院選挙の前だから参院で問責決議案を出すことは自然なことだとの見解を示し、解散した場合、「いつでも受けて立つ準備がある」と語りました。
記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:参院選候補擁立状況について、一段落したか
参院の擁立については、ほぼ見えてきたが、比例代表をはじめ、若干まだいくつか検討しているところがあるので、「これでおしまい、全員決まりました」という形ではなく、もうしばらく全員決まるまでお時間をいただければと思います。
Q:国民民主党、自民党、共産党は政策集を発表していますが、立憲民主党はいつくらいになるでしょうか
経済政策については20日の予定で、全体の政策については、できればなるべく早めに出したいと考えております。今、発表の準備をしているところでございます。
Q:衆院小選挙区の総支部長について、総支部長の選任というのは、次の衆院選で擁立されると理解していいでしょうか
わが党の場合には、総支部長がそのまま公認候補になるかどうかは、分かりませんが、ほぼ公認候補になるという見合いでの総支部長選任。森本榮さんが岡山3区における総支部長なっていただき、次の衆議院選挙の準備をしていただくということでございます。
Q:その場合、例えば3区には既に先日国民民主党からも公認候補の擁立が発表されているのですが、そのあたり野党としての共闘・連携などは
基本的には今、現職ではあまりぶつからないようにしようという話は両党間ではしております。一方で新人については、ぶつかるところがいくつか出てくるのはやむを得ないという話もしておりますので、全部が全部で、住み分けができるとは限りません。そのうちの一つという位置づけと思っていただければと思います。国民民主党さんの候補者も元職とは言いながら新人とほぼ同じ、選挙区的には新人と同じだと思いますので。新人同士ですから、そこはお互いやむを得ないということだと思います。
Q:内閣不信任案について、先日枝野さんが京都で内閣不信任案提出をめぐり、参院での首相問責を優先する旨の発言をされた。衆院での内閣不信任よりもという話で、出さないことを念頭に入れているような趣旨で発言をされているかと思うが、これについて、社民の又市さんなど、衆院内閣不信任案を出すべきだという論調が広がっている。これについての受け止めと、党に限らず有権者がこれまで枝野さんは解散をするなら受けて立つということだが、衆院に内閣不信任案を出さないことで日和っているとか、解散を恐れているというような見方をされる懸念もあるかと思うのですが
日和っているとか、恐れているとか、そういう見方をされているのはマスコミの皆さんではないでしょうか。皆さんがそう書かなければ、有権者はそう思わないと私は思うのですが。
まずは解散総選挙がもしあって、解散をするご決意が総理にあれば、問責であろうが不信任であろうが出す時には出されるはずなので、それはあまり関係ない発想だと思います。今これだけ話題になってるのは不信任案は解散の大義になるというような話を、政府・自民党側から騒ぎ始めたことがきっかけ。逆にいうとわれわれは、そこにあまり右往左往する必要はない。元々あらゆる選択肢があると申し上げた通りで、今もまったく変わりません。ましてや今、解散がないと今度はそう騒ぎ立ているのは与党側の話で、われわれの言っている話ではありません。
そういう状況の中、参院選挙が目の前にある中で、参院が主戦場であることを前提に、参院での総理問責を出すというのは極めてまともな考え方だと思っております。一方で、衆院側の内閣不信任案を出すか出さないかについては、政治ですから流動的ですし、明日は党首討論もありますので、党首討論の安倍総理の対応も含めて考えていかなければいけないと考えています。
今回の2000万円貯蓄問題も含めて、さらには森友学園の文書改ざん、虚偽答弁、それ以外にも暴言失言の数々も含めて麻生財務大臣の責任は極めて重いし、麻生財務大臣の責任を取らせずに、ずっと任命をし続けた安倍総理の責任も非常に重いと考えております。麻生財務大臣の不信任なのか問責なのかについても各党とも協議していきたいと考えております。
もう一方で、岩屋防衛大臣は、私も今日参議院の外交防衛委員会に出席をしておりましたが、イージス・アショアの問題は甚だ不誠実な答弁の数々でした。ましてやGoogleアースの問題や、居眠りの問題や、その後の津波に対する対応も含めて、いささか防衛省の対応はお粗末と言わざるを得ません。そういったことも含めて、総合的に考えていきたいと思っております。
日程闘争する国会ではありませんので、国民にいかにわかりやすく、そして国民に今の安倍政権がいかに酷い状況にあるのかということを伝えるために、最良の方法を衆参で連携をしながら考えていきたいと思っております。当然、他の野党の皆さんとも内々ご相談をさせていただきながら明日以降の対応について決めていきたいと考えております。
Q:イージス・アショアについて、防衛省の対応、不手際が続いておりますが、そういう中で、参院秋田選挙区は与野党一騎打ちになりますが、どういった位置づけでしょうか
秋田選挙区は素晴らしい候補者を擁立できたと思っております。その最中にイージス・アショアの問題が出てきて、おっしゃられたように不手際が続いてると。秋田の県民の皆さんにとって防衛省並びに政府の対応についての不信感はかなり高まっていると考えています。もちろんこのことについては争点の一つになってくると思います。
Q:参院の予算委員会、院の規則に則って要求しているものの、開催に至っていません。2017年には憲法の規則に則って臨時国会を要求してなかなか開かれないということがありました。こうしたルールに則った開会要求に応じていない政府与党の対応について、どのようにお考えでしょうか
論外です。参院規則に則って要求している予算委員会が開かれない。それも参院議長が開くようにご努力をいただいているにも関わらず、与党側が明確に出席をしない、開いても出席しないと言っている。これを審議拒否と言わずに何と言うのか。規則破りですから、これはもう言語道断としか言いようがありません。ましてや今のイージス・アショアの問題、経済の不透明な問題、外交もG20、この間のイラン訪問、さらには米中の貿易摩擦、多くの外交案件も抱えています。その中で予算委員会を開くことをなぜ逃げるのか、なぜ拒否をし続けるのか、その説明もまったくありません。安倍総理は「国会がお決めになること」だと言いながら、国会での自民党がまったく決めない状況が続いています。予算委員長にも残念ながら責任が生じてきてると言わざるを得ません。我々としては変わらずに、とにかく予算委員会の開会を要求し続けていきたいと思いますし、この100日以上に及ぶ予算委員会の審議拒否は参院選の一つの争点になってくると思います。
Q:本日衆院で歳費法が成立しましたが、その受け止め。今後会派として対応をどうされるか
非常に残念であり、理不尽な法律が通ったと思います。貯蓄2000万円問題で国民の消費に対する非常に減退する気持ち、貯金をしなければという非常に何とも言えない追い詰められた気持ちが広がり、不安が募っているなか、国会だけは定数を6増させる。まったく許されるものではないと思いますし、理解もされないと思います。
それにも関わらず消費税を10月から上げる。このことも理解されないと思っています。自主返納などという生ぬるい状況ではなく、まず6増の定数増を止めること。歳費を削減する場合には憲法違反の疑いならないように衆参両方含めて一定の割合できっちりと削減を義務化をする対案を出しました。そのことも否決をされました。これが政府与党の姿勢そのものですので、定数増、消費税を上げることも含めて、これも参院の一つの争点として訴えていきたいと思いますし、この法案が通った後、どのように対応するかについては執行部、常任幹事会で議論をしていきたいと思います。
Q:福山さんの会見で、いわゆる老後2000万円問題が出たのは、今回の会見が始めてだと思うのですが、昨日もニュースやワイドショーでやっていましたが、この問題をどうご覧になったのか
どこかでお話ししたかもしれませんが、2000万円貯蓄の問題は、先ほども申し上げましたように、今、シニア世代で、これから10年20年30年生きていく方々に、貯蓄がないことに対する非常に大きな恐怖心が広がっている。それから今、非正規等で働いている若者世代から見ると、貯金ができるような生活環境なのかどうか、そして子育てで非常にご苦労いただいている方々から見ても、子育てに教育資金等が必要な中で、本当に貯蓄ができるような余裕があるのかどうか、社会全体に非常に追い詰めたような空気が広がることを非常に懸念しています。一方で今申し上げたような理由で、消費がさらに収縮することについても心配をしています。そういう環境の中で、消費税を10月から上げるということが、国民生活にとってどのような打撃になるのかと考えたときに、まったく今の政府の対応は理解に苦しみます。金融庁のホームページには報告書は載っています。それを受け取らない。それも金融担当大臣が受け取らないというのはどういうことか。自分たちの政権にとって都合の悪いものを受け取らないのかということになります。そうすると、これからのいろいろな整備に関する審議会等々は政府が喜んで受け取るものしか報告書を書かなくなります。忖度をして政府に喜んでもらえるような報告書ばかり書くのであれば、逆にいうと審議会は要りません。有識者に集まってもらい、いろいろな議論をまとめていただいて、それを政策にしていくのが政治の役割ですが、今の状況だと、少しでも政府が気に食わなければ受け取らない、受け取り拒否をされるかもしれない、まったく審議会等の在り方として間違った方向、歪んだ方向に行くと私は思っているので、この受け取り拒否という問題は、単にこの報告書を受け取らないから、なかったことにするから、参院選挙は勘弁してくださいという話ではない、済まされない問題だというふうに思っている。森友加計学園でも文書改ざんや国会での虚偽答弁、防衛省の日報の廃棄や隠蔽、厚労省のデータの不備等も含めて、本当に不都合な真実を国民に隠すという安倍政権の体質そのものがこの金融庁の問題にまさに表れてきたとそう考えております。
Q:歳費の自主返納の法案の関連で、参院の一つの争点になるとおっしゃったが、参院選ではどう訴えていきたいか。対案が否決されてしまったが、それも公約に盛り込むのか
このことの争点は、定数を増やすか否か。歳費を減らすか否かではありません。定数を増やすか否かが争点なので、この6増については定数を減らすということについてわれわれは訴えていきたいと思いますし、政策集の中に入れるかどうかについては、今検討している最中です。
Q:参院選について、候補者擁立がある程度ゴールが見えてきたという話があったが、参院選における立憲民主党の目標とする議席は
全員当選しかありません。まずそのことを目標にして頑張りたいと思います。
Q:2016年の参院選では、野党全体で32の1人区に候補者を立てて11選挙区で勝利した。今回同じように野党共闘で候補者の一本化をして32の1人区でどのくらいというのはあるか
これも今の段階では全員当選するために頑張るとしか言いようがありませんが、前回の3年前の11ではなく、それ以上に一つでも多く積み上げていきたいと考えます。
Q:内閣不信任案を出さなかった場合、報道が出る出ないに関わらず、与野党の一部からビビったんじゃないかとか、日和ったんじゃないかという声が上がっているのは事実です。このまま内閣不信任案を出さなかった場合、参院選に与える影響は
この議論で不思議なことがありまして、与党が解散しないという報道が流れた時、与党側が選挙に勝つ見込みだから解散をしなくていいという報道が流れました。それは本当なのでしょうか、ファクトなのでしょうか。それは与党側が言ってるだけの話。つまりわれわれもあらゆる選択肢がある中で、代表が一つの考え方を2日前に申し上げました。もちろん政治ですから明日以降、ましてや明日は党首討論がありますから、生き物ですから流動的に変わるか分かりませんが、安倍政権の責任を問うのは衆院でも参院でも同じ。特に参院が主戦場になる、参院選挙の前だから参院で問責を出すことはごくごく自然なことだと思います。もし解散するなら先ほども言った通りです。問責であろうが不信任案であろうが、解散する気持ちがあるならそれは解散する決定権は総理の専権事項だから、問責だから解散しない、不信任だから解散するという理屈は成り立ちません。その中で合理的なのは、参院選挙が目の前にあり参院でははまず総理の責任を問うべきだと主戦場は参院だからという話を今しているところでございます。それがなにか参院に影響があるとかないとかではないですし、問責を出しても不信任を出しても解散をされる時にはされるわけですから、そこについて我々はいつでも受けて立つ準備があります。
Q:自民党のマニフェストも発表され、ここ何回か同じですが、世論調査をすると、景気実感がないという人が多数。アベノミクスの6年の実績を強調する数値が並んでいるが、一方で世論調査すると景気の回復した実感がないという。どういうことだとお考えでしょうか
それは国民の実感のほうが、正しいと思っておりますし、そのことを議論するためにも予算委員会は必要ではないかと申し上げている。国民の実感のほうが正しいと思います。
Q:明日の党首討論ですが、主にどういった点を追求していきたいでしょうか
代表に聞いてください。すみません。
Q:投稿選挙区は候補者の割り振りはどうなったでしょうか
それは東京都連に任せておりますが、一定の割り振りをしながら、2人勝てるように最善を尽くしていただきたいです。