2019年2月4日
【衆院予算委】毎月勤労統計不正問題などめぐり長妻、大串、小川各議員が質問
衆院予算委員会で4日、安倍総理と全閣僚出席して2018年度第2次補正予算に関する基本的質疑が行われ、立憲民主党・無所属フォーラムから長妻昭、大串博志、小川淳也各議員が毎月勤労統計問題を中心に政府の見解をただしました。
長妻議員は冒頭、「今年は元号が変わり新しい時代を迎える。私たち立憲民主党は、新しい時代にふさわしい価値を大きく掲げて来たるべき国民の審判を仰いでいきたいと思っている」と切り出し、「これまでの、1つの価値観を押し付ける政治ではなく、多様な生き方、お互いの多様性を認める政治へ転換しなければならない。いまの政治では異論が排除され、集団同調圧力が強まるばかりだ。それが組織において不正まがいの指示が下りてきても誰も疑問の声を上げることができない、という空気の支配を強め、忖度がはびこる現状を生み出しているのではないか。空気を読みすぎるのではなく、一人ひとりの持ち味が十分発揮できると同時に、空気を打ち破る異能・異才が活躍できる社会を作り上げなければならない。それが結果として中長期的に社会や経済の発展をもたらすと立憲民主党は考えている」「自己責任一辺倒で一生を終えることのできる人はほとんどいないだろう。困ったときにはお互いさまに支え合うことのできる社会の実現が重要な課題だ。私たち立憲民主党は社会の支え合いを支える仕組みをきちんと作り上げることを大きな目標としている」との旨表明。これら政策を立案するに当たり、現状把握のための重要なツールが政府統計、なかでも政府基幹統計だと述べました。
今回の毎月勤労統計不正問題をめぐっては、「かつての民主党政権でも不正を把握することができなかった。深く反省するとともに私たちの責任は、与野党を問わず徹底した実態解明を進めると同時に、雇用、労災保険をはじめとする各種給付について正しい支給額をお支払いすることにある。これに全力で取り組んでいく」と強調。長妻議員が求めた参考人のうち、統計不正問題の担当責任者であり閉会中審査でも国会答弁していた大西康之政策統括官を政府が今月1日、突如として大臣官房付に異動させ、現職ではないことを理由に与党が国会招致に応じないことに「政府・与党は実態解明をブロックしている」「参考人隠し」などと厳しく非難しました。
大串議員も、毎日勤労統計をはじめとする統計不正問題を中心に質問。質問に入る前に、麻生副総理兼財務大臣が3日地元・福岡県で開かれた集会で、少子高齢化に伴う社会保障費増をめぐり「年を取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違い。子どもを産まなかったほうが問題なんじゃないか」と発言したことにも言及、「多様な生き方が認められなければいけない。カップルの方で一生懸命不妊治療をされても結果が出ないとつらい思いをされている方がいる。それを『子どもをうまなかったほうが問題』というのは不適切な発言だ」と、発言の謝罪・撤回を求めました。これに対し麻生副総理は「発言の一部だけが報道されて本来の趣旨が伝えられずに誤解を与えるようになった。そういった発言だけをとらえたというのであれば撤回させていただく」と答え、結果的に発言を撤回。大串議員は、問題発言をしてそのたびに発言の撤回を繰り返す麻生大臣の資質をあらためて問題視しました。
小川議員は、2018年1月以降、調査結果を3倍にして復元する3倍補正をかけた結果、毎月勤労統計が6月に名目賃金速報値で3.6%、確報値で3.3%の上昇率を示し、21年ぶりの賃金上昇率となったことに、15年10月16日の経済財政諮問会議で麻生財務大臣が調査手法について発言したことが影響しているのではないかと指摘。「精度向上への取り組みを求めた」と答える麻生財務大臣に対し、「裏に隠された意図はないかといぶかっている」と述べました。
制度改革によって全数入れ替え方式から部分入れ替え方式へ移行、常用労働者の定義を変更、日雇い労働者を外したことで賃金が高めに出ると指摘。部分入れ替え方式では廃業、倒産直前の企業等が入らなくなり、統計委員会の結論にも「生き残りバイアスが一定程度存在する」とあるとして、「全数調査をした方が世の中の実態に近い、労働者が受け取っている賃金感覚だ」と述べました。