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2018年10月9日

小田部雄次氏を迎え安定的な皇位継承を考える会、第3回会合を開催

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 「安定的な皇位継承を考える会」は9日午後、講師に静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏を迎え国会内で第3回目の会合を開きました(写真上は、講演する小田部氏)。

 小田部氏は、現在の課題として(1)悠仁親王以降の安定した皇位継承のあり方の検討(2)公務・公的活動を行える一定数の皇族の必要性――を挙げ、その上で従来提起されてきた次の3つの解決案について問題点を挙げました。

 旧皇族の子孫を男子を皇族に復帰させる案については、(1)旧皇族という立場を特別に扱うと、日本国憲法第14条2項「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」に抵触(2)世襲という意味で、天皇家との血筋を重視するのであれば、旧皇族よりも血縁関係の近い家は100近くある(3)現在の象徴天皇は憲法第1条「主権の存する日本国民の総意に基く」による。古来連綿たる皇統であるが、国民の多くが支持する皇統は、戦後復興をともに担った昭和天皇や今上天皇の現皇統への共感性に基づくところが多い(4)旧皇族の男子に男子が生まれなければ、その宮家はどうなるのか(5)妻と男子をともなって皇族になったとしても、その妻との婚姻が皇室会議の審議を経てない――などを指摘しました。

 女性天皇を認める案については、(1)現皇室典範1条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とあり、これを「皇統に属する子女」と改正する動きへ強い心理的抵抗感を持つ人々が一部にある(2)女性天皇を認めても、その次の世代の子が「女系」となり、そのことへの抵抗感も強い人が多い(3)「歴史的に女性天皇は少なく、中継ぎ的であった」「女系天皇はいない」といった説が根強くある。これらは、当時の皇族数から、皇位継承者は数多くあり、遠い傍系の男子を探せばなんとなかった結果でもある。皇統にある者の数に限りがある現代の状況を同一視して議論しても生産的な解決策は見えない(4)女性天皇や女性宮家への反発は、ひとえに女性への偏見に根付いた現代的な発想によるもので、歴史的に論じるには基本となる社会条件が時代の中で違っている――などを指摘しました。

 内親王・女王と旧皇族の男子を結婚させる案については、(1)本人同士が自然な恋愛感情から結ばれるのであれば、一定の解決策になる。しかし、すでに多くの内親王や女王は適齢期に入っており、年齢的なバランスがとれる旧皇族の独身男子の数は限られてくる(2)旧皇族男子なら良く、一般男子がだめであるという法的根拠はどこに基づくのか不明。「華族や貴族を認めない」とした憲法への違反行為ともいえる――などを指摘しました。

 これらの指摘の上、「現在でも、将来において男子のみならず女子の皇位継承者までが不在となるかもしれない危機的事態のなか、具体的かつ有効な対応がなされないまま、時間だけが無意味に経っている」「現在、皇室が担っている多くの公務や諸行事、慣行などが担えなくなり、国際的にも対内的にも皇室の機能が低下していくだろう」とまとめました。

 その上で、安定的な皇位継承のために「戦後の象徴天皇の歩みとそれへの国民の支持を意識すると、皇位継承者は、昭和天皇や今上天皇の血縁者であり、その末裔であることがより望ましく、ふさわしい」「昭和天皇および今上天皇の血統である、皇太子殿下と秋篠宮殿下の御子孫である愛子内親王、眞子内親王、佳子内親王にも、皇位継承を認め、この3内親王の御子孫を皇族として皇位継承権を付与するシステムにすることが安定した皇位継承のための重要な準備と考える」として、悠仁親王とともに4宮家を提案しました。

 また、内親王の配偶者の呼称や待遇などについて、内親王の配偶者(皇配)は当面、皇族とせず権利と義務を明文化。皇配も皇室会議での審議を経ることで、多くの国民に認知される必要があると話しました。

 さらに代替わり後に意識されるべき課題として、若い世代の皇族と同世代の国民との絆のあり方を意識する必要があると指摘しました。