2018年9月15日
【訪米報告】4日目、外遊報告会見で「(公文書管理は)公文書保管管理庁のような考え方が必要」枝野代表
枝野幸男代表ら訪米団は4日目、現地時間14日夕、今回の外遊についての報告会見を行いました。
枝野代表は会見冒頭、日本の政治状況で野党の情報は海外に伝わりにくいなか、立憲民主党がどういう事を考えているのかを伝える機会を持てたことは大変良かったと述べ、シンクタンクや議員からこうした情報をもっと発信するべき、特に定期的にワシントンを訪ね発信するべきという趣旨の話を多くいただいたと報告。少なくとも代表や代表代行、幹事長クラスが年に1回はワシントンを訪ねることが必要だと今回の訪問を通じて強く感じたと語りました。
また、同日午後に視察したNARA(National Archives and Records Administration、国立公文書館)について、各省庁に対してかなり強い影響力・権限を持っており、公文書の管理や公開のあり方についてマネジメントをしている独立性の高い行政機関であるという実態を知り、「今年に入り日本でも公文書のあり方について大きな政治問題になっているが、そもそも呼び方自体から変えていく必要があるのではないか。例えば公文書保管管理庁みたいな考え方を知った上で、その権限・機能についても大幅に拡大をしていかなければ民主主義国家として恥ずかしい状況ではないかと強く感じた」と述べ、帰国後、党内で具体的な提案の検討を開始し遅くない時期に結論を出したいと話しました。
さらに、「ウォーターゲート事件が一つのきっかけになって前進をしたという話もあった。今年の前半に発覚した公文書の改ざんや隠ぺいの問題はこれに匹敵するかこれ以上の深刻な問題だと思うので、それに匹敵するくらいの大きな前進をさせなければいけない」とその決意を語りました。
沖縄の基地問題については、「まず私は辺野古移設反対という表現は使ったことはありません。私が申し上げたのは、辺野古に新基地を建設しない、普天間の返還を実現する、そして日米関係を悪化させずにアメリカの極東における戦略にマイナスを与えない、この3つのことを併存させる、すべてを成り立たせるという困難なチャレンジに向けてアメリカとしっかりとした協議を進めたい」という従来からの立場を説明、その上で、今回、様々な立場の方とのディスカッションでは「思った以上に好意的に受け止めていただいた」とその感触を報告しました。
政府や共和党関係者との面談は今回あったかとの質問には、「今我々は外交交渉権を持っているわけではないので、相手国の状況にもよるが二元外交みたいな話になっては国益を損ねるので、あえて政府関係者との会談については求めなかった。ただ議会については、考え方が近い議員は多いということで民主党が中心になるとは思ったが、共和党でも日米関係、東アジアの問題に感心のある議員とはお目にかかりたということで、1名ですが実際にお目にかかり、いいディスカッションをさせていただいた」と述べました。
野党として今回のような外遊の意義については、「基本的に民主主義の国であれば、選挙ごとに政治勢力が変わり、時には政権が変わることもある。どういう状況になってもいい関係が持続継続できるようにするためには与党や政府だけではなく、野党もしっかりとしたコミュニケーションをとっておくことが必要」と述べ、「私自身いずれそんなに遠くない時期に政権を担おうと思っていますので、その段階で『初めまして』ではやはり外交はうまくいかないと思っていますので、その時に『初めまして』ではなく、『しばらくですね』という挨拶ができるような関係を作りたい」と語りました。
近いうちに政権交代ということであれば、トランプ大統領とカウンターパートになる可能性もある、そのトランプ大統領の印象について問われると、「最長であと6年あまり(大統領を)されるわけですから、それまでに政権を担う可能性は十分にあると思っていますので、カウンターパートになる可能性ある方について、あまり第三者的に論評すべきではない」と語りました。
さらにゴルフを練習したりとかはしないのかという問いには、「国家のリーダー同士の関係は、そうしたところで図られるべきものではないと思っている。それぞれの国益を背負い、まさにオフィシャルにどういう関係が作れるのかということで動いていくべきものだ」と話しました。