2018年6月29日
働き方関連法成立受け「高プロ廃止に向けて粘り強く頑張っていく」と枝野代表
枝野幸男代表は29日午後、定例の記者会見を国会内で開き、(1)「働き方改革」関連法の成立を受けて(2)今後の地方行脚――等について発言しました。
枝野代表は、立憲民主党など野党が過労死の促進につながるとして削除を求めてきた、「高度プロフェッショナル制度」の導入を含む「働き方改革」関連法が可決・成立したことを受け、「定額働かせ放題法案が成立してしまった。高度プロフェッショナル制度が実際に運用・適用されれば過労死、過労自死を増やしかねないという強い危機感を持っている」とコメント。その上で、「法律は成立したが、国会の行政監視の役割は終わるわけはない。まずは、一日も早く『高度プロフェッショナル制度はおかしい』という認識を持つ国会議員を衆参両院で過半数にして、これを廃止させたい。それに向けて粘り強く頑張っていく」と表明しました。
共謀罪については、法律成立後月1回程度法務省に対して実際に適用されているのかどうかの報告を求め、けん制をしていると述べ、高度プロフェッショナル制度についても同様に実際に運用される事態にならないよう、厚生労働省に対し実態把握、報告を求める活動を最低限行っていく考えを示しました。
同じく同日の参院本会議で成立したTPP11関連法案に関しても、「わが国の国益に関わる、水や緑や空気や地域社会、食の安全をしっかり守っていく観点から実際の運用・適用状況、あるいは広い意味での通商政策を厳しく監視をしていきたい」と述べました。
次に、7月11日に岩手県を訪れ、復興状況についてのヒアリングや防潮堤等の視察などを行う予定であること、「農林漁業に関する政策ビジョン」(仮)の作成に向けた、つながる本部と政策調査会の農業水産部門で合同開催する各地でのタウンミーティング・視察の第1回目となるタウンミーティングを7月15日に島根県松江市で開催することを報告。農林漁村でのタウンミーティングについては、「農林漁業に関する政策ビジョンを農水部門で策定し、党として決定をしていきたい。策定に当たっては農業1つをとっても地域によって抱える課題は大きく違う。そうした現場のそれぞれの状況を把握して作っていかないと、きめの細かい暮らしに寄り添ったものにはならない。来年の統一選挙や参院選に向けて発信できるよう、進めていきたい」と述べました。
28日の参院厚生労働委員会での「働き方改革」関連法案の付帯決議をめぐり、立憲民主党が共同提案者に加わらなかったことを問われると、「内容のかなりの部分をわが党の石橋議員が書いて作ったものであるにもかかわらず共同提案者から排除された理由については、われわれとしてはよく分からない」と述べました。
28日に立憲、共産、希望の会(自由・社民)の参院野党3会派が提出した解任決議案が本会議にかからなかったことには、「いくら説明を受けてもなぜ本会議でかからないのか理屈がよく分からない。法案や決議案を提案するには一定の人数以上という要件があり、その要件をクリアして提出された決議案を全議員に諮らなくていいという、しかも委員長は本会議が持っている人事権であり、その本会議に諮らずに潰してしまっていいというのは、国会法であれ参院規則であれどこをどう読んでもまったく理由、根拠が不明だ。どういう法的根拠によるのかをきちんと説明してされなければ違法行為として糾弾していかなければならない問題だと思っている」と指摘しました。
来週にも自民党の参院選挙制度改革案が審議入りするとの話があることから、対案を提出するかとの問いには、「まずはこの手順、手続きで審議入りするのかという話だ。参院議長のもとで(参院選挙制度改革をテーマにした)会派協議会が長期にわたって積み重ねられてきたにもかかわらず、そこでまったく話がなかったものを突然言い出し、それについて議論する間もなく国会に法案を出すという(自民党の)やり方自体が、まともな議論をする前提を崩している」と批判。「民主主義の前提になるルール作りのやり方として適切ではない。時間をかえてやり直すべきと言うのがわれわれの考えだ」と述べました。