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2020年4月14日

【衆院本会議】年金改正法案と野党提出のGPIF法等改正案が審議入り 尾辻議員が答弁

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 衆院本会議で14日、政府提出の「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」(年金改正法案)及び野共同会派と共産党が提出した「年金積立金管理運用 独立行政法人(GPIF)法等の一部を改正する法律案」(GPIF法等改正案)の趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしました。野党提出のGPIF法等改正案について、共同会派、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムから趣旨説明を岡本充功議員、質問を柚木道義議員、答弁を尾辻かな子議員がそれぞれ行いました。

 年金改正法案は、(1)パートなど短時間労働者への段階的な適用拡大(2)在職中の年金受給者(60歳から64歳)に対する老齢厚生年金調整額の見直し(現行の28万円から47万円に引き上げ)(3)年金受給開始年齢の上限の引き上げ(70歳から75歳に引き上げ)(4)確定拠出年金の加入可能要件の見直し――等について措置をするもの。
 野党案は、(1)GPIF等が管理・運用する年金積立金の資産における株式の構成割合の法定化等(2)産前産後・育児期における国民年金・国民健康保険の保険料の免除等(3)年金生活者支援給付金の拡充――を盛り込んだものです。

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 年金改正法案の質問に先立ち、柚木議員は新型コロナウイルス対策について、緊急事態宣言および緊急経済対策について「遅すぎ、少なすぎ」だと批判。マスク全戸配送に466億円より医療、休業補償、現金給付に回すべきだと求めましたが、安倍総理は「布製マスクについては再利用可であることから、急激に拡大しているマスク需要に対応するために非常に有効。布製マスクのサージカルマスク等を医療現場に優先して供給するためにも家庭向け布マスクの配布を行うことは理にかなった政策だ」と強弁しました。

 柚木議員はまた、海外からも少なすぎると批判されてきたPCR検査件数にも触れ、総理が確約している1日のPCR検査能力2万件を「実検査数」としてどのように達成するつもりなのかとただしましたが、安倍総理は、「4月12日時点で全国で1日あたり約1万2千件以上の検査能力を確保している。検査能力と実際に検査が必要な検査数は別なものと考えており、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにすることが重要と考える。検査実施件数については、全相談件数に占める検査実施が低い都道府県もあることからその背景や事情についてフォローアップをしている」などと答えるにとどまり、具体策は示されませんでした。

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 その上で柚木議員は、野党提出のGP法等改正案に対して(1)GPIFの株式の構成割合の法定化、運用リスク情報の公表義務化の趣旨と具体的な株式の割合(2)年金生活者支援給付金を一律に月6千円支給と拡充した意義(3)子どもが1歳になるまでの間の国民年金と国民健康保険の保険料の免除も盛り込んだ趣旨と意義――について質問。これに対し尾辻議員は、以下のように答弁しました。

(1)GPIFの株式の構成割合の法定化、運用リスク情報の公表義務化の趣旨と具体的な株式の割合

 年金積立金は、国民の貴重な財産であるとともに、将来の年金給付の財源として重要なものであり、年金積立金の資産の運用に当たっては、その価値を毀損することのないよう、安全かつ確実を基本とした運用が求められている。
 安倍政権に入り、年金積立金の資産の額に占める国内外の株式の構成割合が50%に引き上げられリスクの高い株式の割合が高まった結果、損益の幅が非常に大きくなっている。これでは、今回の新型コロナウイルスの感染拡大のような危機的な事態がひとたび生じれば、株価の下落によって、国民の財産が大きく目減りすることになり、こうした運用を続けていくことは、国民の年金制度に対する信頼は損なわれてしまう。
 そこで、GPIF設立時の株式の構成割合を参考に、おおむね20%を超えない範囲で定めるものとし、これを法律上に明記することとしている。株式の構成割合の変更については、市場その他民間活動に与える影響等を勘案して、公布の日から10年の経過措置を設けている。
 また、資産運用が適切に行われていくかを判断するためには、会計検査院が指摘しているように、収益が減少するリスクについて、ストレステストの結果の公表等による中長期のリスクの継続的な情報開示が必要不可欠であり、年金積立金の運用に係る損失の危険に関する情報を、GPIFの業務概況書の記載事項に追加することにより、定期的なリスク情報の公表を義務化することとしている。

(2)年金生活者支援給付金を一律に月6千円支給と拡充した意義

 現行の老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間に応じて支給額が決まるものであり、納付済期間が少ない場合は、支給額は月額5千円から減額されることになるため、保険料納付済期間が少ない高齢者は、低年金の上、年金生活者支援給付金の支給額も低くなるため、低所得の高齢者の所得保障の観点からは、不十分なものとなっている。
 他方、民主党政権時の2012年に審議された社会保障と税の一体改革関連法案の当初の政府原案では、年金制度の最低保障機能の強化を図る観点から、低所得の老齢基礎年金受給者に対し、一律に月額6千円の加算措置を行うこととしていた。
 これを踏まえ、本法案では、低所得者の年金受給者への対応の充実を図るため、年金生活者支援給付金の給付基準額を6千円に引き上げるとともに、老齢年金生活者支援給付金は、保険料免除期間がない場合には、保険料納付済期間にかかわらず、一律に月額6千円を支給することとしている。

(3)子どもが1歳になるまでの間の国民年金と国民健康保険の保険料の免除も盛り込んだ趣旨と意義

 現行法では、厚生年金及び被用者健康保険については、産前産後休業期間及び育児休業期間の保険料の免除が認められているのに対し、国民年金には、1歳に満たない子を養育するための「育児期間」については、保険料の免除がなく、国民健康保険については、産前産後期間及び育児期間ともに保険料免除の規定がない。加入している制度の違いによってこのような差が生じることは不合理だ。
 社会保障の支え手である現役世代の負担が増加していく中、特に子育て世代については負担の軽減を図る必要がある。
 本法案では、国民年金について、被保険者が1歳に満たない子を養育するための期間について、保険料を納付することを要しないものとし、その期間について基礎年金給付を保障することとしている。
 国民健康保険については、国民健康保険法第77条の規定により、市町村及び組合が、被保険者の産前産後期間及び1歳に満たない子を養育するための期間における保険料の免除を行った場合には、国は必要な財政上の援助を行うこととしている。

【衆院本会議】2020年4月14日年金法案趣旨説明質疑 柚木議員質問原稿案.pdf

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