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7日前

【後編】「チーム茨城」のコロナ相談窓口から見えてきた、新しい政党のあり方

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新型コロナウイルス禍では、公衆衛生をはじめとする公共部門の統合・再編がつづいてきたことに、疑問の声が上がっている。職員や施設の数を減らしたことで、各地で保健所や病院が混乱したためだ。ただ、脆(ぜい)弱になっているのは「公」だけではない。

茨城県内で活動する玉造県議、水戸市議の萩谷、滑川によると、県内の公営住宅では空き室の増加と住民の高齢化が進み、町内会やNPOによる地域活動、近所の助け合いがしにくくなっている。

5月に始めたコロナ相談ダイヤルに引き続き、これからも小さな声を拾っていくには、どうしたら良いのか。その試みの一つとして、茨城県連は7月、公営住宅のコミュニティ活性化に取り組むNPOへの協力を始めた。「公助」も「共助」も弱まる地域で、自治体議員が果たすべき役割とは?その議員たちの拠点となる、政党の地方組織が、目指すべき組織のかたちとは?玉造、萩谷、滑川に聞いた。

政党は、いちばん身近な「政治参加」のツール。ほんとうの「ボトムアップ」「草の根の民主主義」を追い求める組織に

──コロナ禍で見えた、今の地方行政の課題は?

玉造)改めて実感しましたが、業界団体や町内会、組合といった従来の団体が、意見を取りまとめて政治を動かす仕組みからは、こぼれ落ちてしまう声があります。県連の相談窓口にかかってきた電話も、組合に入っていない非正規労働者の方、近所に相談できる人がいない高齢者などが中心でした。人々の生活が多様化、複雑化しているだけでなく、地方では人口流出、高齢化により、旧来の地域社会のつながりが希薄になってきています。

一方、ここ数十年の地方行政は、住民どうしの「共助」に任せきりで地域社会を維持させ、公共交通や公衆衛生といった「公助」の部分まで過剰に縮小し、民間に任せる姿勢をとってきました。結果コロナ禍で困っても、相談できる人がいない、役所に相談にも行けないなんて状況ができてしまっています。

わたしは議員を続けてきて、「公衆衛生」という言葉がこんなに現実的に迫ったことはないです。政府は途中で方針転換しましたが、37.5度が4日以上続くまで家で寝ていなければ、検査もしてくれないっていう、こんな国だったのかと。

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──そんな中で、政党の地方組織が地域で果たすべき役割は何でしょうか?

萩谷)茨城県連はパートナーズの方たちと一緒に、独居の高齢者が非常に多い県営住宅で活動するNPOを、陰ながらお手伝いしています。今は誰でも安く食事できる「だれでも食堂」を月1回開いていますが、今後は高齢者どうしの見守りや宅配サービスなど住民参加型の地域活性化をやっていく予定です。なぜこれをやるかと言うと、これからの地方組織の役割は、住民にいちばん身近な「政治参加」のツールになることだと考えているからです。

初回の「だれでも食堂」に、玉造、滑川、萩谷が参加した

──詳しく教えてください。

萩谷)人口減や経済成長の停滞で地方財政がひっ迫している中、「公助」の部分を突然大きくすることはできませんから、やはり「共助」で地域を活性化させていくことはどうしても必要です。でも、公営住宅のように住民が高齢化したところでは、なかなかそういった活動がしにくくなっているのが現実です。

それなら、わたしたち自治体議員や、県連と接点のある住民が、NPOを手伝えば良いんじゃないか。コロナ相談でも、立憲パートナーズ登録でも、入口は何でも良いんです。「政治参加」というと抵抗感があるかもしれませんが、そもそも「政治」は自分たちの暮らしを良くしていくことです。その延長上で、必要があれば行政に意見を出したりすれば良いんです。

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玉造)「政党と関わる」ことに抵抗感がある人も多いと思います。でも、地域活動の入り口となれば、もっと多様な人が、いろいろなかかわり方をしてくれて、「政党の地方組織の新しい形」がつくれるんじゃないかと期待しています。

政治の教科書どおりに言えば、NPOと自治体議員の関係は、「代表者から現場の声を聞いて、議会質問に生かす」のが正解でしょう。でも先ほど言ったように、それだけでは抜け落ちるニーズがある。活動を手伝う中で、今まさに困っている人たちから直接話を聞く機会もあるでしょうし、活動の中で具体的にぶつかる課題から学ぶことも、たくさん出てくるはずです。それが本当の「ボトムアップの政治」「草の根の民主主義」なんだと思います。

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議員も、資金も、支援組織も。 「何もないところから始めたからこそ、自由に活動できた」茨城県連が目指す、地方組織の姿は?

──そのためには、どんな組織をつくっていきますか?

玉造)かつては「地元の名士」などと言われる、地域に長年住み、事情に精通した人が自治体議員を務めることが多くありました。でも地域には、外国人、LGBT当事者、いろいろな人が住んでいます。その幅広いニーズを行政や議会が包摂できるかが今、問われています。そのためには、様々なバックグラウンドを持つ人が議員になれる組織が必要です。

滑川)茨城では昨年の台風19号による那賀川氾濫が記憶に新しいですが、災害時には社会が抱える課題が噴出します。水戸市ではわたしが働きかけて、防災マニュアルが様々な性的指向/性自認に配慮して改定されるなど、多様な人が暮らしやすくなってきました。様々なバックグラウンドを持つ議員、マイノリティに寄り添える議員が、もっと増えてほしい。

そのためには政党の地方組織に、議員や候補者を育てる機能が必要です。各自ばらばらの政治活動ではなく、今回の相談窓口のようにチームとして動くのは有効だと思いました。わたし自身市議1年目ですが、今回相談窓口の対応をする中で、たとえば社労士の資格を持っている茨城3区総支部長の高杉徹さんに専門的な相談をつないだり、制度について教えてもらったりして、とても勉強になりました。

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玉造)立憲民主党茨城県連ができたのは1年半前。党所属議員も、豊富な資金も、支援組織も何もないところから始めたからこそ、ベテランから若手まで、議員一人ひとりの個性や得意分野を生かした活動を自由に発想できています。これからも「地域に必要とされる政党は何か」を軸に、新しいことにチームでどんどん取り組んでいきたいです。

▼コロナ対策の支援制度一覧、茨城県連の相談ダイヤル情報はこちら
https://cdp-ibaraki.jp/soudan/

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