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2020年4月23日

「救急隊が来るのが怖い」「防護具も医療従事者も足りない」コロナ感染拡大下、一般病院の今

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国内で新型コロナウイルスの感染が確認された人は1万人を超え、救急搬送を中止する病院も出てきた。日本のコロナ感染拡大は、医療崩壊が懸念される事態になりつつある。マスクや医療用ガウンといった防護具はひっ迫、医療従事者は不足しており、医療提供体制の強化は一刻を争う。

そんな差し迫った状況の中、一般病院に勤める看護師の方たち、また医療関係者もよく訪れる美容院の経営者の方が4月19日、立憲民主党の枝野幸男代表と、医師のあべともこ衆議院議員によるオンラインのヒアリングに応じてくれた。新型コロナウイルス感染症患者は、専門家がいて設備の整った指定医療機関に入院したり、滞在できる施設に入ったりするが、コロナ患者を受け付けない一般病院でも、救急外来があれば無症状の陽性患者が急に運び込まれる場合がある。

ヒアリングで語られたのは、「防護具が足りない」「陽性患者の病棟や動線が他から分けられていない」「人員不足から新型コロナウイルス関連の情報収集に手が回らず、職場の緊張感が維持できない」現状と、この状況下で働く医療スタッフたちの大きなストレスだ。

※写真は上段右があべ議員、中段左が枝野代表

防護具が圧倒的に足りず「救急隊が来るのが怖い」

関西で、緊急度や重症度が高い救急患者が搬送されてくる病院に勤める看護師Aさんは、「救急隊が来るのが怖いなと思いながら仕事をしている」と言うほど、救急患者がもし陽性だった場合に備えた防護体制は弱いという。

看護師Aさん「マスクはいまや1日1枚、極力使わないように言われています。備蓄が尽きれば、マスクも使い回しになるのかと危惧しています。でも、どの病院も防護具不足で、指定医療機関に資源が優先的に配分される中で、一般病院にもっと供給してほしい、とはなかなか言いにくいです。今の政府対応を見ていると対応が事後的で、待ちの姿勢に感じます。マスクの国内生産体制をもっと強化し、一般病院へも防護具が回ってくるように、政治から積極的にアプローチしてほしいです」

一般病院で「ゾーニング」ができない不安

感染症指定病院は、感染症患者と一般患者を完全にわけて管理する「ゾーニング」ができる設計になっているが、一般病院はそうではない。コロナ感染者を受け入れないが、救急外来はある一般病院に勤める看護師Bさんは、陽性患者との接触があった看護師と同じロッカーを使わざるを得ない現状を指摘する。

看護師Bさん「救急外来があったら、念のためにコロナ感染がないか検査をします。ただ、そこで陽性の疑いが出ても、すぐにはPCR検査結果は出ません。なので、患者さんが陽性なのかわからないまま、比較的長い間院内にとどまってしまう可能性もあるんです。でも、病院は『コロナ感染者は受け入れない』ことになっているので、陽性の患者がいない想定で現場は動いています。たとえば陽性のおそれがある患者を担当した看護師が、そうでない看護師と同じ室内のロッカーを使うことになります」

若手看護師の離職、家族からの引きとめも。現場スタッフのはかりしれないストレス

防護品は不足。ゾーニングの徹底が一般病院では難しい。そんな中、医療スタッフは自身が感染するリスクはもちろん、対応に一つでもミスがあれば院内感染が起こってしまうという緊張感の中で働いている。スタッフにかかるストレスははかりしれない。

看護師Bさん「感染症指定病院では若手看護師がやめているという話も多く聞きます。一般病院でも十分な防御体制を作れないままだと、人材が離れてしまうんじゃないでしょうか」

看護師Aさん「家族にやめてと言われても、使命感から出勤してくれている人もいます。そういったストレス、悩みを現場ですくいあげる余裕がないです」

一方、医療現場は通常時から人手が足りず多忙だ。そこに新型コロナウイルスの感染拡大。医療従事者たちは、コロナに関する情報収集や研修にあてる時間もなかなか確保しにくい。

美容院経営者「医療スタッフの方たちの感染リスクが高いからといって、差別があってはいけません。でも来店する看護師さんと話していると、なかなか情報収集する時間がないのか、危機意識が低いな、と感じることもあります」

看護師Aさん「医療スタッフ一人ひとりが新型コロナウイルスへの危機感を持ち、現場で適切な対応をするには、情報収集する十分な時間を確保したり、だれかが休んだ時にカバーしたりできるだけの人員が必要です。国が定める看護師の配置基準を柔軟にして、より多くの人員配置ができるようになってほしいと思います」

あべ衆議院議員「人手が少なく現場は忙しいから、感染症専門以外のところでは研修なども少ない。だから危機意識があったとしても、トレーニングされていないので実際の行動に移していくのが難しいんじゃないでしょうか。医療従事者を手厚く配置しない国の医療体制の結果です」

マスク・防護具増産設備投資への支援、看護師の配置基準柔軟化――医療現場のために、大至急政治がすべきこと

ヒアリングを受けて、枝野代表は大至急取り組むべき項目として、マスクなどの増産、医療現場の人員確保などを挙げた。

枝野代表「マスク製造以外の企業にも防護品を生産してもらうための設備投資について、現状では、企業への一部補助にとどまり、なかなかマスク増産が進んでいません。もっとプッシュしていきます。

現場の負担を軽くするため、看護師の配置基準を柔軟にして、必要な医療従事者を現場に入れられるようにする。緊急的な人員増のための財政支出も必要ですね。大至急、具体的に動きます」

あべ衆議院議員は、検査体制についてもより充実できるよう力を入れていくと話した。

あべ衆議院議員「これまで日本では接触者・帰国者外来と保健所だけが検査につながるルートで、医師が検査の必要性を認めてもなかなかPCR検査数につながりませんでした。ただ政府は先日、野党が求めてきた、保健所を介さずに地域の医師の判断で検査につなげる「検査センター」を設置する方向に舵を切り、検査の間口は広がります。検査数を増やす、という観点から今後もいろいろな提案をしていきます」

安倍首相は4月17日の会見で、新型コロナウイルスの重症患者を受け入れた医療機関が受け取る診療報酬を2倍にする方針を発表した。ただ、根本的解決には医療や感染症対策、また社会保障全般をより重視するよう、このコロナ感染拡大をきっかけに予算配分の見直しを進めていく必要がある。立憲民主党は今後もきめ細かく現場の声を聞きながら、短期的、長期的両方の視点から、政府への働きかけを強めていく。

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