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2019年10月18日

「無償化よりも待機児童の解消を!」つながる本部&子ども・子育てPTで現場の声を受け止め

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 立憲民主党は18日、つながる本部(本部長・枝野幸男代表)と子ども・子育てプロジェクトチーム(座長・阿部知子衆院議員)との合同会議を国会内で開催。子育て中の保護者、保育関係者の皆さんから保育の質、保育者の処遇改善、無償化の課題等について意見を交わしました。

 つながる本部は、地域のさまざまな取り組みや多様な課題を立憲民主党とつないで、その解決を当事者の方々とともに実現していくことを目的としたものです。昨年2月、第1回の会議で保育園に入るための「保活」を経験した父母らからヒアリング、そこで出された課題や提案を子ども・子育てPTで法案、政策として声を形にする取り組みを進めてきました。

 「みらい子育て全国ネットワーク」(子育てしやすい社会の実現に向け、子育て当事者の声を見える化し、集め、政治や行政に働き掛ける市民団体)は今年7月、保育園に関する保護者や保育士への調査結果(2019年度版)をまとめ、フリーコメント集として「保活/保護者/保育者ストーリー」を発表。会議では、代表の天野妙さんら同ネットワークのメンバーからこの報告とともに、現行の制度や政策のもとで悩む、切実な声が上がりました。

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 枝野代表は冒頭のあいさつで、これまでも現場の声や知恵を聞かせていただいたと感謝の意を述べた上で、待機児童問題が解決しないなかで10月から幼児教育の一部無償化がスタートしてしまったことに言及。「このタイミングで皆さんの声をあらためて全体で受け止め、少しでも現場の意向に沿った形で運用させられるよう取り組んでいきたい」と力を込めました。

 17日の常任幹事会で「つながる本部」のコーディネーター(子ども子育て担当)に選任された市井紗耶香さんは、「4人の子育てをしていくなかで『こうなったら日本の社会が明るくなるだろうな』『こうなったらお父さんやお母さんの負担が軽くなって、もっと子育てが楽しくなるだろうな』ということを、皆さんとの意見交換をさせていただき勉強していきたい』と抱負を語りました。

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 天野さんは、「無償化はいい政策ではあるが順番が違うだろうと、われわれは常々言い続けてきた」とあらためて強調。その上で、安倍政権が掲げる「子育て安心プラン実施計画」と現状に大きな隔たりがあるとして「2020年度末に待機児童は本当にゼロになるのか」と問題提起しました。「待機児童」と認定されるには一定の条件があるため、全国の待機児童は減ったが「隠れ待機」はむしろ増加していると指摘しました。待機児童の状況は首都圏でも自治体ごとにさまざまであり、「自治体によって数字の操作がされているのではないか」と実態の違いだけでなくカウント数が異なることも影響していると問題視。無償化に伴う懸念点として、(1)税の再配分における偏重(2)保育需要の高まり、待機児童がますます悪化(3)教育機会の不平等(4)量の増大に伴う質の確保に対する懸念(5)幼稚園の便乗値上げ――を挙げ、政策論点のポイントとして「待機児童ゼロの実現に向けたカウント方法を再度確認」「無償化によって生じる問題の把握と改善」「保育料の便乗値上げの調査と対策の実施」を訴えました。

 調査結果によると、保育者、保護者ら現場の総意として特に「保育の質の担保」と、そのために必要な「保育士の処遇改善」を強く要望。働き手である保育者からは、具体的に「処遇改善」「配置基準の見直し」「雑務の削減」等を求め、「子育てしながら保育士として働けるよう多様な働き方を」「保育の専門性への理解、資格の厳格化、保育士自身の意識を上げていくことも必要」といった声があると紹介しました。

 過酷な保活に保護者らからは「子どもを産み育てることがリスクになっている感覚がある」という声も。無償化と言いながら給食費などが値上がりしている実態や、無償化の恩恵を受けている世帯と、そうでない世帯と、本来一緒に声を上げていくべき子育て世代の分断が起きているという指摘もありました。

 閉会のあいさつで阿部座長は、「政策論点のポイントを共有する」と声を受け止め、課題解決に向けてより一層取り組んでいく考えを示しました。

○保護者に対するアンケート結果 
 https://miraco-net.com/3storys-2019/
○みらい子育て全国ネットワーク 
 https://hoikuen-hairitai.com