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ニュース

2019年9月13日

参院会派「立憲・民友会・希望の会」の全議員で研修会を開催、枝野代表らが講演

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 参院会派「立憲民主党・民友会・希望の会」は12日、長野県北佐久郡軽井沢町で会派所属議員を対象とした研修会を開催しました。

 研修会では、新人議員の自己紹介に続き、(1)逢坂誠二政務調査会長が「臨時国会に向けての争点課題」(2)NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子さんが「すべての子どもが夢や希望を持てる社会の実現」(3)中谷一馬衆院議員が「時代のニーズに対応したインターネット選挙対策@2019」――について講演、その後、枝野幸男代表が基調講演を行いました。

 渡辺さんは、日本のすべての子どもが夢と希望を持てる社会を目指し、低所得家庭やひとり親家庭の子どもたちへの学習支援や体験活動の提供、東日本大震災で被災した子どもたちへの支援や復興人材育成など行っています。こうした立場から(1)日本の子どもの貧困の背景と実態(2)教育格差の要因分析(3)税の再分配の見直し(4)公教育の問題――という観点で話をしました。

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講演する渡辺さん

 枝野代表は、現在自身が考えていることについて(1)政治とは時間の関数である(2)今の政治と何が違うのか大きな構造の違いを示す(3)今の日本の社会に対する時代認識(4)日本で右・左、保守・革新といった日本語がめちゃくちゃになっている――といった観点から話をしました。講演の要旨は次のとおりです。

政治とは時間の関数である

 正しいことでも、タイミングが早すぎたり、遅すぎたりしたら上手く行かない。タイミングとやることがはまった時に政治は結果を出すことができる。これが正しい道だとか、これが正しい政策だ、これが正しい訴え方だとかという議論もものすごく大事ですが、それだけだと間違えることがあるという意識がものすごく強くある。
 いろいろな行動判断や、皆さんに提案する時に、(枝野は)時間の関数を意識しているはずだから、なぜこのタイミングなのか、なんでもっと早くなかったのか、なんでもっとためてやらないのか等、いろいろなことを考えながら、それはおかしいんじゃないかとか、それなら良いんじゃないかとか、いろいろと判断をしていだいたり、ご意見をいただけるとありがたい。
 これは若手の議員の時に台湾の李登輝総統(当時)とお会いした時に聞いた言葉。最初何を行っているか分からなかったが、ずっと考えてきたら、そういうことかなぁと思っている(実感している)。

今の政治と何が違うのか大きな構造の違いを示す

 われわれは大きく政治・政権を変えようとしています。そのときには、今の政治と何が違うのかという構えをしっかりと持っていないといけない。部分的なところで違う点を指摘しても、相手は与党で執行権をもっているので、個別政策について得だと思ったら、部分ではいくらでも取り入れることができる。常に選挙の争点になりそうで、訴えたら得なことになりそうなことは与党は必ずやってくる。
 大きく変えようと思ったら、構えとしてどう違うのか、大きな構造での違いをしっかりと有権者の皆さんに示していかなければならない。
 それは平時からみんなで共有して、平時から有権者の皆さんにジワッと認識していただくことが重要。あるいは各論を大きな構想の中での位置づけを共有しながら訴えていくことが重要。選挙が近くなってから、このことを言っても有権者には届かなかったというのは、今回得た大きな教訓。
 2009年の非自民政権の時の教訓は、逆に素晴らしい各論をたくさん準備をしていて、政権をお預かりして、それを進めようとしていたが、その各論の全体構造がどういう時代認識のもと、どういう大きな構造・社会を作ろうとしているのかということについて、共有が必ずしも十分にできておらず、結果的に、例えばバラマキ批判に対して、バラマキではないと自信を持ってしっかり反論ができなかったのではないか。大きな構えがないと、各論だけでは、そういう打ち返しにも厳しい。

今の日本の社会に対する時代認識

 強い危機感を持っている。これは川田龍平議員の受け売りですが、それを一言でいうと「今の日本社会は『今だけ、金だけ、自分だけ』」。この社会風潮が急激に強まっている。非常に刹那的で、拝金主義的で、利己的。このこと自体が一番の危機。そういう社会だからこそ、平和や貧困、経済の問題など、いろいろなところで「こんな流れになっていいの?」というようなことが起きている。
 これが社会の必然の流れであればまだしも、これは日本の政治が、特に平成30年間の政治が作ってきてしまったことなのではないか。したがってその社会風潮自体を含めてわれわれは変えなければならないというミッションを持っているのではないだろうか。
 立憲民主党が結党から言っているのは、「違いを認めあい、困った時に寄り添い、互いに支え合う社会」。まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」という社会に対しての明確な180度違う社会像だと思っている。今の社会風潮は政治で作られているということが原因だと思っているので、政治が頑張って社会のあり方そのものを示しながら国民、有権者の皆さんと一緒に社会風潮自体を変えて行かなければならない。
 安倍総理は必ず2009年の非自民政権と第2次安倍政権以降を比較していろいろなことをおっしゃいますが、まずこの土俵自体が決定的に間違っている。日本の経済の低迷は2009年の非自民政権も第2次安倍政権も含めて28年間の低迷が続いている。安倍政権になって良くなっているのかというと、5%前後の成長をしていたバブル前と比べれば、バブル後のトレンドの大きな枠の中にいるというのは決定的に変わっていない。バブル崩壊からずっと経済が悪い、社会の閉塞感が強まっていることに解を出さないかぎり、われわれのミッションは終わらない。これは一瞬ではできない。変えていくという流れをしっかりと示していかないと、本質的に良くなったと期待を持っていただくのは難しい。

日本で右・左、保守・革新といった日本語がめちゃくちゃになっている

 ちゃんとした認識をもっていないと判断を誤る。「保守」の定義は、急激に世の中を変えようとすると、いろいろなハレーションが起き、かえって世の中を混乱させる。だから今まで積み上げてきたものを大事にしながら、少しずつ変えていきましょうというもの。安倍さんは保守じゃない。社会に積み重ねられてきたいろいろなものを無理やり強引に一気に変えようとしてきている。完全に今の自民党は保守政治ではない。
 また、「保守」は「懐古主義」とは全く違う。「保守」は「人間は不完全なものである」というのが出発点。不完全なものが作っている社会は常に不完全、永久に理想の社会は作れない、でも理想の社会に近づいていくためにお互いみんな不完全なので、過去の歴史を含めいろいろな学びを活かしながら少しずつ良くしてきましょうというのが、保守の本来の考え方。したがって「過去に理想の時代があった」「いい時代じゃないから、あの時代に戻しましょう」というのはありえない。
 「保守反動」という言葉があるが、「反動」は「保守」ではない。今より良くしていくために変えていこうが「保守」の前提。今のままでいいというのは「保守」ではない。「穏健保守」という言葉があるがこれも語彙矛盾。「保守」とは本来「穏健」なものである。急激に世の中を変えて混乱を生じさせるようなことがないように一歩ずつ変えていこうというもの。
 「リベラル」の対義語は「保守」ではない。「保守」の対義語は「急変」「革命」など。「リベラル」の対義語は「父権主義(パターナリズム)」です。違いを認めてお互いに支え合うのが「リベラル」であるのに対して「父権主義(パターナリズム)」は、例えば貧しい人を上から助けてあげましょう、困っている人を上から助けてあげましょうというもの。

議員総会を同時開催

 また研修会とともに議員総会を開催。福山哲郎会派代表の退任あいさつに続き、会派会長選出について鉢呂吉雄選挙管理委員長から新代表に長浜博行議員が選任されたことを報告、拍手をもって承認されました。その後、長浜新会長があいさつしました。また、会派役員の人事が発表され、蓮舫副代表が参院幹事長、芝博一議員が参院国会対策委員長を引き続き担当することになりました。

 福山会派代表(幹事長)はあいさつの中で、昨日内閣改造を受けて記者団に話をした内容について報告。台風15号の被害で40万戸以上の停電・断水が続くなか、「政治日程とはいえ、燕尾服を着てニコニコと内閣改造する、その神経がよく分かりません」と話したと説明。さらに同日、党災害対策局の被災現場視察をうけ台風15号災害対策本部を立ち上げたことも併せて報告したと説明しました。また、西日本豪雨の際、赤坂自民亭と称される宴会が開かれていたこと、その中心人物が閣僚に任命されたこと、さらに加計学園の当事者も閣僚に任命されたことなどにも触れ、「この内閣と向き合うわけですの、最初に私がこのような発言をしたことについてはどこかでお含みおきいただければありがたい」と話しました。

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 長浜新会長はあいさつの冒頭、自身の選挙区である千葉県の被災状況を踏まえた上で、党の災害対策本部と連絡をとりながらこの場にいると説明。衆参両院、与野党ともに経験したことと、今までの政治状況を振り返り、「過去があり現在があり、そして未来にむけて歩んでいく中で、立ち位置を確認をしながら着実にみなさんとご相談をしながら、一歩一歩進めていく」と話しました。

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 研修会と議員総会の終了後、長浜会長、蓮舫参院幹事長、芝参院国対委員長が揃って記者団の取材に応じました。冒頭、長浜会長は「2年間、激動の中で代表を務められて、そしてある意味では今また激動の中で幹事長職に集中されるということでございますので、会長が変わり、そして蓮舫幹事長、芝国対委員長というのは従来の体制でございますので、こういった形でスタートし、今後の推移を見守りながら対応していきたい」と語りました。

 一番大事にしたい政策や重視したい点について問われると、長浜会長は日本の社会のあり方を変えていく大きな役割を担って立憲民主党はスタートしたので、個別の政策はもちろん大事だが、それよりも大きい社会のあり方について変えていく旨、述べました。

 また会長職に就くことであつれきが生まれるのではないかと報道がされていることについて、「時系列的に国民民主党を除籍になったことは事実なので、そのことをどうこういうつもりはない。ただ離党し臨時国会を無所属で過ごし、次の通常国会から立憲民主党という状況になった。選挙は国民民主党本部の支持、社会民主党本部の支持で戦った。党籍は立憲民主党ですが、選挙は国民民主党と社会民主党に応援をしていただき、私は存在している。無駄なあつれきを生じないようにご配慮いただければ」と述べました。

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