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2019年2月28日

【衆院予算委】「統計問題・諸課題」に関する集中審議で長妻、大串、川内各議員が質問

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 衆院予算委員会で28日、安倍総理ら関係閣僚が出席するなか「統計問題・諸課題」に関する集中審議が開かれ、立憲民主党・無所属フォーラムから長妻昭、大串博志、川内博史各議員が質問に立ちました(写真上は、質問する長妻議員)。

 長妻議員は、厚生労働省の毎日勤労統計の不正問題をめぐって、20日の同委員会でも取り上げた、2018年からベンチマーク(ウェイト)更新で賃金指数にさかのぼって三角補正をしなくなった理由について質問。長妻議員は、2018年1月に行われた調査手法の変更による賃金の上振れ0.8%のうちベンチマーク由来のギャップが0.4%だとも指摘し、「ベンチマーク更新でさかのぼって補正をしないということは事前に、どんな手続きで、どんな議論を経て、どこで了解を得たのか」と関係者に尋ねました。

 酒光元厚労省政策統括官は「着任(17年7月)後まもなく、業務説明などを受けるなかで知った。すでに17年1月、総務省から承認を受けた事項だと説明受けた」などと答弁。しかしながら石田総務大臣は、20日の答弁と同様「承認していない」との見解を重ねて示しました。統計委員会の西村委員長も18年1月の調査手法の変更の時点では知らなかったと明言。これに対し根本厚労大臣は、「統計委員会に申請する前に新旧データ接続ワーキングチーム(WG)(16年6月30日~)で議論し、それを前提として答申した」などと主張しましたが、長妻議員は同WGでの報告書に「基準改定・ウェイト更新・計算方法の変更」については検討対象外としたとあることから、「(WGでは)議論をしていない。総務省への申請には上がっておらず、承認もしていない」と指摘。有識者らによる厚労省の毎月勤労統計改善検討委員会の15年9月16日中間整理案では「ベンチマーク更新において賃金指数はさかのぼり三角補正を行う」と結論付けたにもかかわらず覆った手続きを問題視し、「やり方に瑕疵がある。厚労省部内で検討を進めたというが、有識者の会議で専門家が検討をしたあとで、誰が検討したのか」と尋ねました。根本厚労大臣からは何ら明確な説明がなかったため、長妻議員は厚労省内での検討に関する議事録を提出するよう求めました。

 総務省が、西村統計委員長が国会に参考人として出席することを拒否すると記した文書を野党に勝手に提出した件についても取り上げ、事実関係をあらためて確認。西村統計委員長は、自身の連絡担当の職員に対して「職務上の都合や体調を伝えて出席を断ったにもかかわらず総務省から要請があったときに、これに近いことを伝えたことはあるかもしれない」との旨述べる一方、「このようは直接的な言い方を含むやり取りがメモにされ、私の何の確認もなく国会に提出されることは大きな問題。極めて遺憾だ」と指摘しました。

 これを受け長妻議員は、刑法155条3項にも照らし「公文書の偽造になる危険性もある」として委員会で調査するよう求めました。

 大串議員は毎月勤労統計調査の不正問題について質問しました。

 この問題で再調査を進めていた厚生労働省の特別監察委員会が27日に公表した追加報告書に、当時の雇用・賃金福祉統計室長が「これまでの不適切な取り扱いの説明にも窮することから事実を正直に言い出せなかった」と記載があることについて、大串議員は隠ぺいではないかとただしました。

 特別監察委員会の樋口委員長は、「ことさらに隠そうとした意図があるとまでは認められないと判断した」と答えました。改めて「意図的に隠しているのではないか」と問うと、「隠ぺいがなかったどうかというところについては、白黒の問題ではなく非常にグレーのところがある。白であると私どもは言ってない」と答えました。

 さらに「隠ぺいだったという可能性もあるということか」とただすと、「まさにグレーでございますので、組織的隠ぺいがなかったと言っているのではなく、あったということはできないと言っただけ」と述べました。

  川内議員は、(1)毎月勤労統計調査の不正問題、(2)子どもの貧困・ひとり親家族の大学進学率、(3)辺野古埋め立て問題――について質問しました。

 統計調査の不正問題について、厚労省特別監察委員会が27日に公表した追加報告に関連し、樋口委員長や委員会は「統計法に反し全数調査をせず、届け出どおりにせず、黙っていて、そしてある日突然それを復元するという作業が適切な行為であると評価をしたのか」と質問。

 樋口委員長は、「統計上の処理として適切であった」と答弁。法令上はどうかとただすと、「そのような疑念を抱かれる結果となったことは深く反省すべきであるという文章をご指摘だろうと思います」と述べ、質問に対する的確な答えができませんでした。この答弁に対し「国民を騙すようなことを、誤魔化すようなことを言っちゃ駄目ですよ」と指摘しました。改めて問うと樋口委員長は「不適切であると思います」と答えました。これを受け「これだけで、監察委員会の報告書は書きぶりを変えないといけない」と指摘しました。

 その上で、3倍補正を官房幹部には報告していたにも関わらず、厚労大臣には報告していなかったことについて、「統計は大事なもの」「本来報告されるべき閣僚が報告を受けていない。これはもう少し真剣に取り組まないといけない」「この件ははっきりさせていかないと、報告されるべきことが報告されるべき人に報告されていないということが明らかだ」と危機感を訴え、監察報告書を認めるわけにはいかないとして、安倍総理の見解をただしました。

 安倍総理は、監察委員会の構成や検証の経過、委員長の経歴、会合を重ねて報告書が作成されたという過程を一通り説明した上で、「組織的隠ぺいや隠ぺい行為の疑いに関して、厳しいご批判もあることは真摯にうけとめたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、報告書の記載内容については、特別監査委員会の判断でお決めいただいたものと承知している。これは中立・客観的な立場から精力的に検証作業を行っていただいた結果」だと述べ、安倍総理自身の言葉で意見を述べることはありませんでした。

 子どもの貧困について、安倍内閣が生活保護世帯の扶助基準を切り下げてきていると指摘(2012年を100とすると2019年は93.0)し、本来は生活保護扶助基準は一定にして相対的貧困ラインを上げていくべきだと主張。2109年度の予算案では、幼児教育・保育の無償化が3882億円のうち、相対的貧困のラインにある子どもたちへの配分は50億しかないとして、格差に目を向けるべきだとして見解をただしました。

 少子化対策担当の宮腰光寛大臣は、「(該当する)子ども一人あたり年100万円程度の公費を投入し、既に負担軽減を図ってきている。これまでに投じた公費全体の金額で評価することが適当」と述べました。

 川内議員は、「今までやってきていることを否定しているわけではない。これからどうしていけばよいのかを議論させていただきたい」と語りました。